【おなかの脂肪(腹部内臓脂肪、腹部総脂肪)を減らす機能、高めのBMIを改善する機能】
標題:最終製品 BB(ビービー) オリゴパウダー by(バイ) 内脂サポートに含まれる「ビフィズス菌BB536(B.longum)、ビフィズス菌B-3(B.breve)」による腹部脂肪や身体組成への影響に関する機能についてのシステマティック・レビュー(SR)
目的:健康な人が機能性関与成分「ビフィズス菌BB536(B.longum)、ビフィズス菌B-3(B.breve)」を摂取することによる腹部脂肪や身体組成への影響について、対照食品と比較した研究をレビューし、効果の有無を総合的に判断することを目的としました。
背景:これまでヨーグルトの摂取と体重管理への影響についての研究レビューは実施されていますが、菌株を特定して効果を評価したレビューは行われていませんでした。
レビュー対象とした研究の特性:複数の研究論文のデータベースを用いて、各データベースに情報が搭載されてから検索日(2024年7月)までの期間に公表された論文を収集しました。基準に見合った論文は1編で、真実を示す可能性が高いとされる研究方法(ランダム化比較試験)でした。この研究の利益相反(何らかの利害関係が衝突するような事項)については、森永乳業株式会社が費用を負担した研究であると申告していました。
主な結果:収集された文献は、BMIが高め(23以上30未満)の健康な日本人を対象としていました。ビフィズス菌BB536とビフィズス菌B-3の摂取から16週目時点において、腹部CT撮影の評価による腹部内臓脂肪面積と腹部総脂肪面積の改善と、身体測定の結果からはBMIの改善がみられました。これらの結果は機能性関与成分が腸のバリアの改善や、短鎖脂肪酸の産生や腸内環境に影響を与えたことによると考えられました。また、機能性関与成分の安全性について問題ないことも確認しました。
科学的根拠の質:本SRにおける研究の妥当性や信頼性を調べました。研究のバイアス(真の値とは異なる結果を導く可能性を高める要因)リスクは「低」と評価し、肯定的な結論は支持されると判断しました。しかし、1編の報告であったことから結果の一貫性は考察できず、出版バイアスも否定できないことから、エビデンスの確実性は、「低(C):やや信頼できる」と考えられました。今後の研究に注目することが必要と考えています。
以上より、現時点では健康な成人がビフィズス菌BB536(B.longum)を1日100億個、ビフィズス菌B-3(B.breve)を1日 50億個摂取することは安全であり、おなかの脂肪(腹部内臓脂肪、腹部総脂肪)、高めのBMIを改善する機能があると考えられました。
【大腸の腸内環境を改善し、便通を改善する機能】
標題:ビフィズス菌BB536摂取と排便状況及び大腸の腸内環境に及ぼす影響
目的:ビフィズス菌BB536の摂取が、健康な成人の大腸の腸内環境(腸内細菌が作り出す腐敗産物である便中アンモニア量)と便通(排便頻度)に及ぼす影響について調べた研究をレビューし、効果の有無を総合的に判断することを目的としました。背景:排便が滞るなど消化器官が正常に活動できなくなると、健康状態に関係する生活の質(QOL)が低下するほか、大腸内でアンモニアなどの有害な腐敗産物が増加します。ビフィズス菌や乳酸菌の摂取が、正常な消化器官の活動を助ける可能性が報告されていますが、ビフィズス菌BB536が消化器官の活動に及ぼす影響について、文献を網羅的に調べた研究レビューはありませんでした。
レビュー対象とした研究の特性:健康な成人に、ビフィズス菌BB536を20億個以上含む食品、またはビフィズス菌BB536のみを除いた対照食品を1週間以上摂取させ、排便頻度と便中アンモニア量を比較調査した文献を探しました。国内外の5つの文献データベースを検索したところ(2014年11月~2015年1月)、牛乳や発酵乳などの食品形態でビフィズス菌BB536を20億~200億個/日の用量で摂取した7文献が見つかり、これらの文献の中に10の臨床試験の結果が記載されていました。
主な結果:排便頻度を調べた6つの試験結果は、1つが増加を示しませんでしたが5つが増加を示し、これらの結果を統計学的に統合した解析の結果は増加を示しました。排便頻度が増加した5つの研究は、排便頻度が少なめの参加者を対象としていました。また、便中アンモニア量を調べた4つの試験(3文献)の結果については、対照食品摂取群と比較して減少を示した研究は1つでしたが、その他2つの試験でもビフィズス菌BB536摂取時期における便中アンモニア量の減少傾向や摂取終了後の増加が見られました。これらの結果を統計学的に統合した解析の結果は、ビフィズス菌BB536摂取が便中アンモニア量を減少させることを示しました。これらの結果から、ビフィズス菌BB536を含む食品の摂取は、大腸の腸内環境を改善し、便秘気味の方の便通を改善すると考えられました。
科学的根拠の質:検索された10の試験のうち、2つが研究の精度が高いとされるランダム化比較試験で、8つが研究の精度が低いとされる非ランダム化比較試験でした。精度が低い試験も含めて評価したことから、評価の信頼性は限定されますが、試験結果に顕著なバラつきは認められず、評価結果は妥当だと判断されました。
【腸内細菌叢(腸内フローラ)中の善玉菌(ビフィズス菌)を増やし、腸内環境を改善する機能】
標題:ラクチュロースによる腸内細菌叢(腸内フローラ)中の善玉菌(ビフィズス菌)を増やし、腸内環境を改善する機能についてのSR
目的:健康な人が機能性関与成分「ラクチュロース」を摂取することで、腸内細菌叢(腸内フローラ)中の善玉菌(ビフィズス菌)を増やし、腸内環境を改善する効果について調べた研究をレビューし、効果の有無を総合的に判断することを目的としました。
背景:ラクチュロースはプレバイオティクス(有用な腸内細菌の餌となる食品成分を指します)として知られていますが、ラクチュロースが善玉菌(ビフィズス菌)を増やし、腸内環境を改善する効果に関する研究レビューはありませんでした。
レビュー対象とした研究の特性;複数の研究論文のデータベースを用いて、各データベースに情報が搭載されてから検索日(2022年9月)までの期間に公表された論文を収集しました。基準に見合った論文は2編で、真実を示す可能性が高いとされる研究方法(ランダム化比較試験)でした。この研究の利益相反については、ラクチュロース製造業者の資金提供により実施された研究であることが記載されていました。
主な結果:本研究レビューの対象者は健康な日本人男女で、便秘気味の方を含みました。摂取量の範囲は1日当たり2gと4gで、摂取期間は14日間でした。論文2編でメタアナリシス(複数の研究結果を統合して、科学的見地から解析する方法)を実施した結果、この範囲内ではラクチュロースの摂取により便中ビフィズス菌占有率が増えることが確認されました。乳酸だけでなく酢酸も産生する善玉菌の代表であるビフィズス菌の増加は腸内環境(腸内フローラ)を改善すると考えられます。機能性関与成分の安全性について問題ないことも確認しました。
科学的根拠の質:本研究レビューはプラセボ対照かつランダム化比較試験で、メタアナリシスを実施しました。研究の質はある程度担保され、肯定的な結論は指示できると考えました。しかし、基準に合った研究は2編のみであり、出版バイアスも否定できないことから今後の研究に注目することが必要と考えています。
以上より、現時点では健康な成人がラクチュロースを摂取することは安全で、腸内細菌叢(腸内フローラ)中の善玉菌(ビフィズス菌)を増やし、腸内環境を改善する機能があると考えられました。 |