◆GABA
A: 睡眠
【標題】最終製品「ウルトラプロテイン プレミアム+(プラス)N‐アセチルグルコサミンb(ビー)」に含有する機能性関与成分GABAによる睡眠の質の改善の機能性に関する研究レビュー
【目的】睡眠の質が気になる健常者がGABA 100mg/日を摂取すると、睡眠の質が改善するか検証することを目的とした。
【背景】ヒトの睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠に分けられる。ヒトの睡眠状態は、覚醒状態からノンレム睡眠、レム睡眠、そして覚醒へ移行するのが一つのサイクルである。ノンレム睡眠時は副交感神経が優位となり脳の活動が緩やかになることから、一般的にこの状態は深い眠りの状態であると認知されている。ノンレム睡眠は日中の疲労回復に寄与していることが示唆されており、疾病には至らずとも睡眠の質に悩みを感じている者はノンレム睡眠時間に問題を抱えていることが想定される。GABAの経口摂取により副交感神経を亢進する作用が報告されているため、これによりノンレム睡眠時間の改善が得られれば、睡眠の質の改善が期待できる。
【レビュー対象とした研究の特性】日本語および英語のデータベースを用いて文献を検索した(検索日:2022年12月27日、検索対象:全期間)。事前に定めた基準に従い、健常な範囲内で睡眠の質に問題を感じている者による日常生活における睡眠の質の改善についての文献2報を採用した。
【主な結果】文献2報の精査により、GABAの摂取によって、対照群と比較しノンレム睡眠時間が有意に増加し、目覚めた時の感覚(Feelings upon awakening)のスコアが有意に増加し、睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)が改善されたことが確認された。
【科学的根拠の質】研究の限界として、文献検索を英語と日本語のデータベースに絞ったことから、他言語での論文収集の網羅性の問題や出版バイアスの存在は否定できない。さらに、選択バイアス、盲検性バイアス、症例減少バイアスが見られた。また、主観評価では、採用文献が1報であり、非一貫性の評価が出来ていない。
B: 筋肉量維持
【標題】最終製品「ウルトラプロテイン プレミアム+(プラス)N‐アセチルグルコサミンb(ビー)」に含有する機能性関与成分GABAによる筋肉量の維持作用に関する研究レビュー
【目的】中高年健常者が、GABAを継続摂取することにより、加齢によって低下する筋肉量が維持されるか検証することを目的とした。
【背景】GABAには認知機能や睡眠の質の改善等、脳機能に関わる作用が報告されているが、その一つとして下垂体に作用して成長ホルモンの分泌を促し、血漿中の成長ホルモン濃度を上昇させることが知られている。血漿中の成長ホルモンはIGF-1を産生し、このIGF-1は筋タンパク質の合成を促進させるため、GABAの摂取は筋肉量の改善作用が期待される。筋肉量の減少は加齢と共に際立ち、日常生活にも影響を与えるため、GABAの摂取により加齢によって低下する筋肉量に有効な機能性が得られれば、我々のQOLを支える一助となることが期待できる。
【レビュー対象とした研究の特性】日本語および英語のデータベースを用いて文献を検索した(検索日:2022年12月7日、検索対象:全期間)。事前に定めた基準に従い、中高年健常者を対象とした加齢によって低下する筋肉量の維持についての文献2報を採用した。
【主な結果】文献2報の精査により、GABAの摂取によって、対照群と比較し筋肉量の指標が改善することが示され、加齢に伴い低下する筋肉量を維持する機能が確認された。
【科学的根拠の質】研究の限界として、採用した2報の文献について、ランダム化の方法や割付の隠蔵について記載がないことから、選択バイアスの疑いがある。
採用文献の1報において週2回のレジスタンストレーニングによる非直接性の問題や、非一貫性や不精確が見られた。また、採用文献が2報であるため、出版バイアスの評価が出来なかったことが、研究の限界として挙げられる。
◆N-アセチルグルコサミン
【標題】最終製品「ウルトラプロテイン プレミアム+(プラス)N‐アセチルグルコサミンb(ビー)」に含有する機能性関与成分N-アセチルグルコサミンによるひざ関節機能の改善の機能性に関する研究レビュー
【目的】ひざ関節に違和感のある健常者が、N-アセチルグルコサミン(以下NAG)を継続摂取することによるひざ関節機能の改善機能があるか、検証することを目的とした。
【背景】NAGは生体内では関節、皮膚、結合組織などに含まれ、関節構造の主要な構成要素となっている。ひざ関節に違和感のある健常者を対象とした実験では、NAGの継続摂取によりひざ関節機能の改善が報告されている。加えて、変形性膝関節症等に関するヒト臨床試験においてもNAGの有効性が確認されている。そこで本論では、NAGの継続摂取によるひざ関節機能の改善機能について検証した。
【レビューを対象とした研究の特性】PubMed、JDreamⅢ、医中誌Web、Cochrane Library、UMIN-CTRの5つのデータベースおよび消費者庁サイトを情報源として、文献検索を行った(最終検索日2024年6月25日)。その結果、計53報の文献が検索され、採用基準で選抜した結果、計2報が採用された。
【主な結果】適格基準に合致した論文2報について定性的な統合、評価を行った。合致した2報はNAGを含む介入食品を用いたRCTであり、ひざ関節機能の改善について検証していた。NAG摂取により、ひざ関節機能を評価するJOAスコアでは「疼痛・歩行能力」「疼痛・階段昇降能力」「トータルスコア」で有意差が確認された。以上のことから、ひざ関節に違和感がある健常者におけるNAGの摂取により歩行や階段昇降時のひざ関節機能の改善に対して肯定的な結果が得られていた。
【科学的根拠の質】本研究レビューの結果、バイアスリスクや出版バイアスの疑いが排除できず、研究のバイアスリスクを完全に否定できないが、ひざ関節に違和感がある健常者においてNAG(300 mg/日以上)の摂取により、歩行や階段昇降時のひざ関節機能の改善に対して肯定的な結果が得られていたので、エビデンス総体として肯定的な科学的根拠が認められると判断した。 |