【ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン】
○腹部の脂肪を減らす機能に関する研究レビュー
ア 標題
「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取による、腹部の脂肪に与える影響に関する研究レビュー
イ 目的
健康な方に対する「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価しました。
ウ 背景
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの脂肪に対する影響に関して、培養ヒト細胞を用いたin vitro実験や、マウスを用いた動物実験では、脂肪の分解を促進する作用があるという研究報告があります。しかし、ヒトを対象とした、脂肪に対する影響を評価した文献を包括的に整理する研究レビューでは、脂肪に対する影響について評価したものはありませんでした。今回、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを継続して摂取することによる、腹部の脂肪に与える影響について検証を行いました。
エ レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して英語及び日本語の文献を検索し、基準に合致した文献2報(ランダム化比較試験)を採用しました。採用文献はいずれも、20-64歳の、BMIが高めの健康な日本人成人男女を参加者とした試験で、解析対象者に脂質異常・高血糖・高血圧に該当する参加者は含まれていませんでした。
※BMIはBody Mass Indexのことで、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出されます。BMI23以上30未満の範囲をBMIが高めと想定しています。
オ 主な結果
採用文献2報から、健康な参加者がブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを1日当たり12 mg含む食品を12週間継続して摂取することで、含まない食品を摂取した場合と比較して、腹部の脂肪面積が有意に減少していることが確認されました。
カ 科学的根拠の質
評価した文献が2報のため出版バイアスについて否定できないものの、いずれの文献も日本人を対象としたランダム化比較試験であり、予め設定された試験計画に沿って試験が実施されており、信頼できる研究であると考えられました。よって、採用文献のブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを1日当たり12mg継続して摂取することによって、腹部の脂肪を減らす機能が認められたという結果は信頼できる科学的根拠に基づいていると考えられ、届出製品でも同様の機能が期待できると考えられます。
○脂肪を消費しやすくする機能に関する研究レビュー
ア 標題
「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取による、日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪を消費しやすくする機能性に関する研究レビュー
イ 目的
健常者に対する「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価しました。
ウ 背景
依然として肥満を低減することは重要な課題であり、肥満低減には代謝機能を改善し、体脂肪を消費することが重要です。日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪の消費を高めることは肥満の予防に役立つと考えられます。
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの脂肪消費に関する研究報告はありますが、包括的に整理する研究レビューはありませんでした。
エ レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して論文を検索し、基準に合致した文献1報(ランダム化比較試験)を研究レビューの対象としました。なお、本文献は丸善製薬株式会社が費用負担した研究でした。
オ 主な結果
上記文献はブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgの摂取による、日常活動時の呼吸商を評価しており、呼吸商の有意な低下が認められていました。呼吸商はエネルギー代謝における脂肪と糖の消費割合を示すことから、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12mgには、日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪を消費しやすくする機能を有する可能性が考えられました。
カ 科学的根拠の質
採用した文献は1報のみであったため、定性的な研究レビューを実施しました。
そのため、言語および定量性に関して研究の限界がありますので、今後の研究結果が本研究レビューの結果に影響を与える可能性があります。今後の研究に注視することが必要ではありますが、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgの摂取は、日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪を消費しやすくする機能に対する有効性に一定の根拠があると判断しました。
【GABA】
○睡眠の質(寝つき、眠りの深さ、すっきりとした目覚め)の向上に関する研究レビュー
ア 標題
本品に含有する機能性関与成分「GABA」による睡眠の質(眠りの深さ)の改善効果
イ 目的
GABAの経口摂取が日常生活の睡眠の質に及ぼす影響を調査するため、研究レビューを実施しました。本研究レビューは、健康な成人を対象としてGABAを経口摂取することによる睡眠の質への有効性を、GABAを含まない被験食品「プラセボ」を対象として明らかにするために実施しました。
ウ 背景
慢性的にストレスを感じていると、睡眠の質の悪化による記憶力、集中力および生活の質(QOL)の低下や疲労感の増加が引き起こされます。よって、精神的なストレスを緩和することは睡眠の質を改善することに繋がると考えられます。
GABAの機能性については精神的ストレスの軽減作用もいくつか報告されていることから、GABAの摂取はストレスの軽減による睡眠の質改善作用があると考えられています。しかしながら、健康な成人を対象としてGABAの睡眠の質改善作用を検証したシステマティックレビューはなかったことから、本研究レビューを実施しました。
エ レビュー対象とした研究の特性
抽出された対象研究1件は、別紙様式(V)-7 に示したように以下の特徴がありました。GABAの経口摂取に関して継続摂取試験について報告されていました。対象者を健常な範囲内で睡眠に問題を感じている成人10名として、プラセボ(澱粉分解物)または試験品(GABA100 mg)を1日1回、1週間摂取させていました。解析の結果、プラセボ群と比較して、sleep latency(入眠潜時)およびtotal non-REM sleep time(総ノンレム睡眠時間)の有意な改善が認められました。本試験における脱落者はいませんでした。また、本試験は「ヘルシンキ宣言に準拠した」と明記されていました。
オ 主な結果
対象となった研究は1件で、健常な範囲で睡眠に問題を感じている健康な成人がGABAを1日あたり100 mg摂取しており、睡眠時脳波に関して肯定的な報告でした。本研究レビューの結果から、GABAの1日あたりの有効な摂取量は、100 mgであると判断しました。
カ 科学的根拠の質
本研究は以下の限界を有します。
1)公表バイアスは検出されず、いずれもプラセボ対照RCTではあったが、利益相反も存在するため、バイアスの混入は否定できない。
2)安全性については、サンプルサイズ、期間ともに十分とは言えないので、GABAの安全性については別の切り口での評価が必要である。
3)評価対象論文数は1報と少ないことから、今後更なる有効性の検証が必要である。 |