【標題】機能性関与成分「魚由来コラーゲンペプチド」が肌弾力性を維持する機能性に関する研究レビュー
【目的】「健康な成人が(P)、魚由来コラーゲンペプチドを経口摂取した場合(I)、プラセボ食品を経口摂取した場合に比べて(C)、肌弾力性は高値を示すか(O)?」の検証のため、研究レビューを実施した。
【背景】加齢に伴い脆弱化した肌は菲薄化と弾力性低下を特徴としていることから、弾力性が低下した肌は、身体保護機能が低下した状態にあると言える。そこで、コラーゲンペプチドの摂取により肌弾力性が維持されるかを、研究レビューで検証した。
【レビュー対象とした研究の特性】752報がヒットし、最終的に2報に絞り込まれた。採用文献はともに査読付き英語文献であった。
【主な結果】採用文献1は、ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験の査読付き文献で、タイ王国で実施され、健康な女性(50歳から60歳)を対象とし、コラーゲンペプチド(魚由来)またはプラセボを4週間摂取させていた。プラセボ群に比べコラーゲンペプチド群で、頬のR7(弾性戻り率)が有意に高かった。採用文献2は、ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験の査読付き文献で、日本で実施され、健康な女性(35歳から50歳)を対象とし、コラーゲンペプチド(魚由来)を含む飲料、または、プラセボ飲料(魚由来コラーゲンペプチドを含まずのその他成分は同じ)を、12週間摂取させていた。肌弾力を、キュートメーターR7(弾性戻り率)を含む15種類のパラメーターで測定していたが、いずれも群間有意差はなかった。肌弾力は、加齢に伴い低下し、さらに紫外線ストレスによる光老化で加速する。採用文献1と採用文献2の結果から、介入の効果は、弾力がより低下した肌で現れやすいと考えられた。したがって、魚由来コラーゲンペプチドの継続摂取は、肌弾力性を維持し、この効果は肌弾力が低下している場合に現れやすいと結論した。
【科学的根拠の質】バイアスリスクは採用文献1と採用文献2が低(0)であり、全体としてのバイアスリスクは、低(0)とした。非直接性は採用文献1と採用文献2が低(0)であり、低(0)とした。不精確は、肯定的結果の採用文献1のサンプルサイズがやや小さかったことから、中/疑い(-1)とした。非一貫性は、採用文献1が肯定的結果であり、採用文献2が否定的結果のため、中/疑い(-1)とした。その他については、出版バイアスの評価が未実施のため、中/疑い(-1)とした。エビデンスの強さは、B(中)とした。本研究レビューにおいては、弾力維持に関する肯定的文献は1報と少ないことから、今後更なる有効性の検証が必要である。
【標題】機能性関与成分「魚由来コラーゲンペプチド」が肌を紫外線刺激から保護する機能性に関する研究レビュー
【目的】「健康な成人が(P)、魚由来コラーゲンペプチドを経口摂取した場合(I)、プラセボ食品を経口摂取した場合に比べて(C)、紫外線刺激による肌ダメージ(紅斑)が軽減されるか(O)?」の検証のため、研究レビューを実施した。
【背景】肌は、身体を包み身体を外的環境から保護する臓器であるため、常に外的環境からのストレスに晒されている。主たるストレスに太陽光の紫外線があり、紫外線に対する防御機能を超えた紫外線に晒されると、肌は障害を受ける。これは長期間繰り返されると慢性炎症反応へと進み、肌の機能が低下して行く。そこで、コラーゲンペプチドの摂取により紫外線刺激による肌ダメージ(紅斑)が軽減されるかを、研究レビューで検証した。
【レビュー対象とした研究の特性】752報がヒットし、最終的に1報に絞り込まれた。採用文献1は査読付き英語文献であった。
【主な結果】採用文献1は、ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験の査読付き文献で、20歳以上59歳以下でスキンフォトタイプFitzpatrick分類ⅡまたはⅢの健康な日本人男性を対象とし、コラーゲンペプチド(魚由来)またはプラセボを4週間摂取させていた。試験食品摂取前および摂取4週時点で、1.5 MED(最小紅斑量)の紫外線を背中に照射した前後で、紅斑として赤みa*値を測定していた。試験食品摂取前および摂取4週時点のいずれにおいても、紫外線照射後のΔa*値に群間差はなかった。30歳以上でのサブグループ解析では、試験食品摂取前における紫外線照射後Δa*値に群間差はなかったが、試験食品摂取摂取4週時点における紫外線照射後のΔa*値は、3日後に群間有意差が認められた。紫外線感受性は、女性より男性で高くまた加齢に伴い高くなることが報告されていることから、介入の効果は、紫外線による影響を受けやすい、すなわち紫外線により肌が赤くなりやすい場合に現れたと解釈できる。したがって、魚由来コラーゲンペプチドの継続摂取には、紫外線刺激を受けやすい方の紫外線刺激による肌ダメージ(紅斑)を軽減させると結論した。
【科学的根拠の質】バイアスリスクは、採用文献1が中/疑い(-1)のため、中/疑い(-1)とした。不精確は、採用文献1のサンプルサイズが小さかったことから、中/疑い(-1)とした。非直接性は、採用文献1が低(0)のため、(0)とした。非一貫性は、肯定的論文1報のため、中/疑い(-1)とした。その他については、出版バイアスの評価が未実施のため、中/疑い(-1)とした。エビデンスの強さは、C(弱)とした。肌の障害(紅斑)の軽減に関する肯定的文献は1報と少ないことから、今後更なる有効性の検証が必要である。
【標題】機能性関与成分「魚由来コラーゲンペプチド」が肌の角層水分量を維持する機能性に関する研究レビュー
【目的】「健康な成人が(P)、魚由来コラーゲンペプチドを経口摂取した場合(I)、プラセボ食品を経口摂取した場合に比べて(C)、肌の角層水分量は高値を示すか(O)?」の検証のため、研究レビューを実施した。
【背景】肌は常に外的ストレスに晒されており、主たるストレスに大気の乾燥がある。この乾燥に抗するのは肌の表皮角質層で、健康な肌の角質層には水分を保持する力(保湿力)が備わり角質層に一定量の水分が保たれている。この保湿力が低下すると角層水分量が低下し、角質層の柔軟性や粘弾性が失われて、身体の動きや外界からの応力で亀裂が生じて、肌の身体保護機能が低下する。本研究レビューでは、コラーゲンペプチドの摂取により肌の角層水分量が維持されるかを検証した。
【レビュー対象とした研究の特性】リサーチクエスチョンは、健常な成人が(P)、魚由来コラーゲンペプチドを経口摂取した場合(I)、プラセボを経口摂取した場合に比べて(C)、肌の角層水分量は高値を示すか(O)とした。PubMed、The Cochrane Library、Embase、医中誌Web、JDreamⅢの検索データベースを用いて関連文献を検索し、1次スクリーニングと2次スクリーニングにより採用文献を決定した。
【主な結果】752報がヒットし、最終的に1報に絞り込まれた。採用文献1は、査読付き英語論文で、ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験であった。日本で実施され、健康な女性(35歳から50歳)を対象に、コラーゲンペプチド(魚由来)を含む飲料、またはプラセボ飲料を12週間摂取させていた。プラセボ群と比較してコラーゲンペプチド群において、頬および前腕屈曲部の角層水分量の変化量が有意に高かった。したがって、魚由来コラーゲンペプチドの継続摂取には、肌の角層水分量を維持すると結論した。
【科学的根拠の質】バイアスリスクは、採用文献1が低(0)のため、低(0)とした。不精確は、採用文献解1の対象者数が66人であり、低(0)とした。非直接性は、採用文献1が低(0)のため、(0)とした。非一貫性は、肯定的論文1報のため、中/疑い(-1)とした。その他については、出版バイアスの評価が未実施のため、中/疑い(-1)とした。エビデンスの強さは、中(B)とした。肌の角層水分量維持に関する肯定的文献は1報と少ないことから、今後更なる有効性の検証が必要である。 |