【血圧が高めの方の血圧を下げる機能について(機能性関与成分:GABA)】
ア 標題
本届出製品「有機ケール青汁a」に含有するGABAの経口摂取による、血圧が高めの方の血圧に及ぼす影響に関する研究:定性的レビュー
イ 目的
血圧が高めの健常成人(正常高値血圧者)およびⅠ度高血圧者において、GABAを含む食品の摂取が血圧を低下させるかを検証するため、定性的研究レビューを実施しました。
ウ 背景
これまで、GABA含有食品による血圧低下作用を検討した臨床研究は複数実施されており、実際に血圧が高めの方に適する特定保健用食品として許可され販売されてきた製品もあります。同様に、GABAを機能性関与成分とする機能性表示食品も多数上市されています。
近年、GABAの血圧低下作用に関するシステマティックレビュー(メタアナリシスを含む)論文が少なくとも2報公表されました。当該論文では、正常高値血圧者およびⅠ度高血圧者がGABAを摂取することで、血圧が低下することが示されています。血圧低下作用に関して肯定的な文献が多数を占め、量的な統合(メタアナリシス)の結果も肯定的であったことから、短期間で結論が覆される可能性は低いものと推察されましたが、当該の2報において「データの数値が不明瞭」として除外された文献や、最新の文献を収集して再評価することを主目的として、定性的研究レビューを実施することとしました。
エ レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して英語および日本語の報告を検索し、基準に該当した研究14報を採用しました。採用研究はすべて日本人を対象としており、Ⅰ度高血圧者および/または正常高値血圧者がGABAを含む食品を継続摂取することで、対照食品と比較して血圧の低下が見られるか検証したものでした。
オ 主な結果
多くの採用文献で、正常高値血圧者およびⅠ度高血圧者の収縮期血圧および拡張期血圧が有意に低下したことが報告されていました。群間差が認められた文献におけるGABAの摂取量は11.5mg~80mg/日でした。なお正常高値血圧者に限定した場合、群間差が認められた文献におけるGABA摂取量は12.3mg~80mg/日でした。
カ 科学的根拠の質
本研究レビューの結果から、GABAを摂取することによる、Ⅰ度高血圧者および正常高値血圧者の血圧を下げる機能について、肯定的な結果であることが示されました。この機能は、正常高値血圧者に限定した場合も、同様に肯定的でした。各研究のバイアスリスク、出版バイアスのリスク、各研究でなされた統計解析結果のうち一部が肯定的ではなかったことを踏まえ、エビデンスの強さは「中(B)」と評価しました。
【LDLコレステロールが高めの方のLDLコレステロールや総コレステロールを下げる機能について(機能性関与成分:HMPA)】
ア 標題
本届出製品に含有される3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA)の経口摂取による、LDLコレステロールが高めの健康な方のコレステロールに及ぼす影響に関する研究:定性的レビュー
イ 目的
LDLコレステロールが高めの健康な方が3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA)を経口摂取した際の、コレステロールに及ぼす影響を検証することを目的としました。
ウ 背景
血中のLDLコレステロールが高い状態やLDLコレステロール含む総コレステロールの増加は動脈硬化性疾患のリスクを高めることから、LDLコレステロールおよび総コレステロール値を低下させることは、健康の維持・増進のために望ましいと考えられます。
ところで、3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(以下、HMPA)は、コーヒーや小麦全粒粉などの食品を摂取したときに血中や尿中の主要な代謝産物として報告されており、最近その機能性が着目されている成分です。また、これまでの研究により、動物試験では、食餌性肥満マウスにおける抗肥満効果や肝臓および血中の脂質関連パラメーターを改善する効果が報告されていることから、LDLコレステロールが高めの方のコレステロールに及ぼすHMPAの有効性について、本レビューを実施しました。
エ レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して英語および日本語の報告を検索し、基準に該当したランダム化比較試験の研究1報を採用しました。採用研究は健康な20歳以上を対象に日本で実施された試験で、HMPAを含む試験食品を摂取しプラセボ食品の摂取を対照としていました。
オ 主な結果
コレステロールに及ぼす影響において、HMPAを1日あたり23mg摂取することで、LDLコレステロールおよび総コレステロールの低減効果が認められました。
カ 科学的根拠の質
本レビューの結果から、HMPAを摂取することによる、LDLコレステロールや総コレステロールを下げる機能について、肯定的な結果であると判定しました。限界として、採用した研究が1報で定性的評価であることや例数が18例による不精確や非一貫性、出版バイアスが否定できなかったことが挙げられますが、研究は肯定的な内容であり、エビデンスの確実性は「低(C)」と判定しました。 |