≪1-1.標題≫
「マルトビオン酸またはマルトビオン酸塩」のミネラル吸収促進に関する研究レビュー
≪1-2.目的≫
健常成人に対して、マルトビオン酸またはマルトビオン酸塩の摂取が、食事に含まれるミネラル成分の吸収を促進するかを検証することを目的とした。
≪1-3.背景≫
マルトビオン酸Caを配合した本機能性表示食品を販売するにあたり、本食品のミネラル吸収促進について検証するため、研究レビューを行った。
≪1-4.レビュー≫
健常成人を対象にマルトビオン酸またはマルトビオン酸塩を含む食品の摂取が、対照食品群と比較して、食事に含まれるミネラル成分（Ca、Mg、Zn、Fe）の腸からの吸収を促進するかを検証した研究を検索した。国内外の文献データベース等を用いて、2022年5月27日に検索を行った結果、条件を満たした文献は3報であった。3報はいずれも査読付き論文で、ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験であった。
≪1-5.結果≫
マルトビオン酸Ca0.63 g以上を食事と共に単回摂取することで、腸管からのミネラル成分の吸収が促進される効果が認められた。また、採用論文において、試験食品が原因と思われる有害事象は確認されなかった。
≪1-6.科学的根拠の質≫
症例数が少ないこと、採用した3報の文献のうち1報が傾向差に留まったこと及び文献の著者に利害関係者が含まれていたことからバイアスリスクの疑いがあると評価した。しかしながら、精度が高い分析法で実施された1報の研究では有意差が得られていることから、さらなる研究が望まれるものの、本レビューの信頼性は保たれていると判断した。
≪2-1.標題≫
「マルトビオン酸またはマルトビオン酸塩」の骨代謝改善効果に関する研究レビュー
≪2-2.目的≫
健常成人がマルトビオン酸またはマルトビオン酸塩の継続的な摂取が、骨代謝改善効果を示すかを検証することを目的とした。
≪2-3.背景≫
マルトビオン酸Caを配合した本機能性表示食品を販売するにあたり、本食品の骨代謝改善効果について検証するため、研究レビューを行った。
≪2-4.レビュー≫
健常成人を対象にマルトビオン酸またはマルトビオン酸塩を含む食品の摂取が、対照食品群と比較して、骨代謝改善効果に対する有効性（評価指標：骨吸収マーカーの低下、骨形成マーカーの上昇）を示すかを検証した研究を検索した。国内外の文献データベース等を用いて、2022年8月23日に検索を行った結果、条件を満たした文献は5報であった。5報はいずれも査読付き論文で、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験であった。
≪2-5.結果≫
健常な中高年女性に対して、1日あたりマルトビオン酸Caを0.84～2.54g含む食品を継続摂取により、骨代謝の働きを助け、加齢に伴い亢進する骨吸収をおだやかにし、骨の成分維持に役立つ効果が期待できると考えられた。骨の成分維持のメカニズムには、腸管からのカルシウム吸収が関係していると考えられているが、男女におけるカルシウム吸収の性差は報告されていないため、マルトビオン酸Caの骨代謝の改善、維持作用についても、性差はないものと判断した。
また、採用論文において、試験食品が原因と思われる有害事象は確認されなかった。
≪2-6.科学的根拠の質≫
本レビューで採用した文献は5報であり、全ての文献がランダム化二重盲検プラセボ対照試験であった。５報中３報でのみ肯定的な結果となっているが、有意差が認められなかった２報については骨代謝マーカーが副次アウトカムとして設定されており、初期値のばらつき等が影響した可能性が考えられる。よって、さらなる研究が望まれるものの、本レビューの信頼性は保たれていると判断した。
≪3-1.標題≫
「マルトビオン酸またはマルトビオン酸塩」の骨密度増加および維持作用に関する研究レビュー
≪3-2.目的≫
健常成人を対象にマルトビオン酸またはマルトビオン酸塩を含む食品の摂取が、対照食品群と比較して、骨密度増加および維持作用を示すかを検証する。
≪3-3.背景≫
マルトビオン酸Caを配合した本機能性表示食品を販売するにあたり、本食品の骨密度増加および維持作用について検証するため、研究レビューを行った。
≪3-4.レビュー≫
健常成人を対象にマルトビオン酸またはマルトビオン酸塩を含む食品の摂取が、対照食品群と比較して、骨密度増加および維持作用を示すかを検証した研究を検索した。国内外の文献データベース等を用いて、2022年6月7日に検索を行った結果、条件を満たした文献は2報であった。2報はいずれも査読付き論文で、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験であった。
≪3-5.結果≫
健常成人に対して、1日あたりマルトビオン酸Ca2.98～5.08 gを含む食品の継続摂取により、骨密度の維持作用に役立つと判断した。
また、採用論文において、試験食品が原因と思われる有害事象は確認されなかった。
≪3-6.科学的根拠の質≫
本レビューで採用した文献は、2報と少ないこと、試験脱落者が多いこと等のバイアスリスクが疑われるが、全てランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験であり、信頼性の高い試験が実施されたものであるため、さらなる研究が望まれるものの、本レビューの信頼性は保たれていると判断した。 |
