【パプリカ由来カロテノイド(β-クリプトキサンチン、β-カロテン、ゼアキサンチン、カプサンチンとして)】
ア.標題
最終製品「骨鉄サプリ」に含有するパプリカ由来カロテノイド(β‐クリプトキサンチン、β‐カロテン、ゼアキサンチン、カプサンチンとして)による加齢に伴い過剰となる骨吸収(古い骨を壊すはたらき)をおだやかにする機能に関する研究レビュー
イ.目的
健常な成人(疾病に罹患していない者)において、「パプリカ由来カロテノイド(β‐クリプトキサンチン、β‐カロテン、ゼアキサンチン、カプサンチンとして)」(以下パプリカ由来カロテノイド)の摂取は、摂取していない場合と比較して、加齢に伴い過剰となる骨吸収を抑制する機能を有するか検証する。
ウ.背景
古い骨は破骨細胞によって吸収され、骨芽細胞により形成される新しい骨が補充されることにより、劣化が修復され強さが維持される。このような骨の代謝を骨吸収ならびに骨形成といい、一連の過程の進行は骨代謝回転と総称される。代謝回転が健常で骨吸収と骨形成のバランスが保たれていれば骨の健康は維持される。しかし、高齢になるにつれて骨吸収が骨形成を上回り骨代謝のバランスが崩れ、その結果骨量が低下する。特に、加齢に伴い閉経を迎えた女性では骨吸収が顕著に亢進し骨量が大きく低下する。よって、過剰な骨吸収をおだやかにすることは骨代謝のバランスを整え、骨の健康維持へとつながる。カロテノイドは野菜や果物に含まれる色素である。疫学研究において、カロテノイド摂取またはその血中濃度と骨密度および骨折のリスクとの有益な関連性が報告されており、カロテノイドの摂取が骨の健康維持に役立つ可能性が示されている。パプリカの果実にはβ‐クリプトキサンチン、β‐カロテン、ゼアキサンチン、カプサンチンといったカロテノイドが含まれており、これらのパプリカ由来カロテノイドを摂取することは骨の健康に役立つと考えられる。そこで研究レビューを実施し、パプリカ由来カロテノイドの摂取が加齢に伴い亢進する骨吸収を抑制することにより骨の健康維持に寄与するのか検証した。
エ.レビュー対象とした研究の特性
複数の研究論文のデータベースを用いて、検索日(2021年6月17日)までを検索対象期間とし、健常な成人がパプリカ由来カロテノイドを摂取した試験に関する論文を収集した。最終的に1編の論文を評価した。この論文はランダム化を伴うプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験であった。
オ.主な結果
1編の研究論文を評価した結果、1日あたり1.4 mgのパプリカ由来カロテノイドを含む食品を摂取することにより、プラセボ食品を摂取したときよりも、破骨細胞にのみに由来し骨吸収の指標として用いられる酵素であるTRACP-5b(骨分解酵素や骨融解酵素とも称される)の上昇を抑制することが分かった。また、パプリカ由来カロテノイドの摂取は骨形成には影響を及ぼさなかった。これらの情報から、パプリカ由来カロテノイドは加齢に伴い亢進する骨吸収をおだやかにする機能を有しており、骨の健康維持に役立つことが分かった。
カ.科学的根拠の質
評価した論文はランダム化を伴う二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験に関するものであり、症例数減少によるバイアス(真の値とは異なる結果を導く可能性を高める要因)はあるものの、全体的にはバイアスリスクの少ない研究であった。ただし研究数が少ないことから、科学的根拠の質を高めるため更なる研究が必要である。しかし、パプリカ由来カロテノイドの摂取により過剰な骨吸収が抑制されるという試験結果は過去の疫学研究からも支持されるものであり、今後の研究によって効果に関する見解が大きく変更される可能性は低いと考えられる。
【大豆イソフラボン】
ア.標題
大豆イソフラボン摂取による骨吸収抑制作用について
イ.目的
健常な中高年日本人女性を対象に、大豆イソフラボンの骨吸収抑制作用について文献に基づく総合的な検証を目的とした。
ウ.背景
骨量は男女とも30歳半ばで最大に達し加齢とともに減少する。骨は常に破骨細胞が古い骨の成分を壊し(骨吸収)、骨芽細胞が新しい骨を作る(骨形成)という骨代謝を行っている(※)。骨吸収には女性ホルモンのエストロゲンが大きく関わっており、エストロゲンの分泌が低下する閉経後女性では骨吸収が亢進する。男性においても加齢に伴い体内エストロゲンの減少が見られ、骨密度の低下に関与する。エストロゲンに似た作用をもつ大豆イソフラボンが骨吸収を抑制するという文献が報告されているが、被験者を日本人健常者に絞って研究結果を総合的に評価したものはなかった。
エ.レビュー対象とした研究の特性
英語及び日本語文献データベースを用いて検索し精査した。対象文献は、健常な日本人女性を被験者としていること、用量の明確な大豆イソフラボンを摂取させていること、比較対照として大豆イソフラボンを含まない対照食を摂取させていること、骨吸収マーカーが測定されていることを条件とし、研究デザインは信頼性が高いとされる無作為化コントロール比較試験(RCT)であることを条件とした。結果、10件の文献が抽出された。
オ.主な結果
10件の文献すべてにおいて、大豆イソフラボン摂取(アグリコン換算25mg/日)による骨吸収マーカーである尿中デオキシピリジノリン量の低下、すなわち骨吸収の抑制(骨の維持)が認められた。さらに、統合可能な9報について統計学的にまとめる方法であるメタアナリシスを実施し、明らかな尿中DPDの低下が認められた。
カ.科学的根拠の質
採用した文献は全て専門家による査読を通過したものであり研究デザインはRCTである。実験方法及び結果は共通しており一貫性の高いものである。また出版バイアス(ネガティブな研究は公開されにくいことによる情報の偏り)は検出されなかった。よってこれらの科学的根拠の質は機能性評価に値する。文献収集は主要なデータベースにて公開されている研究はほぼ網羅されたと考えられるが、未発表研究の存在は否定できず、今後の研究を注視する必要がある。
※日本医師会HPより
【ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン】
ア.標題
本届出商品「骨鉄サプリ」に含有する「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」の歩行能力の維持に与える効果に関する定性的研究レビュー
イ.目的
健康な成人がブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを継続摂取したときの歩行能力に対する有効性を検証する。
ウ.背景
身体機能は加齢により衰えていきますが、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの摂取によって歩行能力が維持されることが報告されているため、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンと歩行能力に関する研究レビューを実施し、科学的エビデンスの確認を行った。
エ.レビュー対象とした研究の特性
国内外の学術論文のデータベースを使用して2019年9月以前の全ての論文を検索し、ヒトを対象としたランダム化二重盲検比較試験の文献2件を研究レビューの対象とした。
オ.主な結果
レビューの対象とした文献のうち、1報は60歳以上のタイ人被験者にブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン7.2 mgを8週間継続摂取させ、歩行能力の指標とされる6分間歩行テストにおいて、プラセボ群と比較して歩行距離が増加していた。もう1報は65歳以上の日本人被験者にブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgを8週間継続摂取させ、同様に6分間歩行テストにおいて、プラセボ群と比較して歩行距離が増加していた。以上の結果から、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgを含む本届出商品には、中高年齢者において加齢により衰える歩行能力の維持に役立つ機能があると考えられる。
カ.科学的根拠の質
採用した文献数などの観点で十分な精査には至らなかったことから、今後の研究を注視する必要がある。一方で採用した文献のいずれにおいても健康な中高年齢者で有意に歩行能力の増加が認められている。日本人を対象とした試験においても有効な結果が得られており科学的根拠があると考えられる。以上より、本届出商品は採用した文献と同様のブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12mgを含有しており、中高年齢者において加齢により衰える歩行能力の維持に役立つ機能が期待できると考えられる。 |