【食事の糖の吸収を抑える機能、食後の血糖値の上昇を抑える機能】
標題:桑の葉イミノシュガー(I)・キトサン(C)・茶花サポニン(S)(以下ICSと記す)による食事の糖の吸収を抑える機能、食後の血糖値の上昇を抑える機能に関する研究レビュー(SR)
目的:ICS摂取による食事の糖の吸収を抑える機能、食後の血糖値の上昇を抑える機能について検証することを目的としました。
背景:ICSの食事の糖の吸収を抑える機能、食後の血糖値の上昇を抑える機能についての研究報告はありましたが、それらの研究を包括的に整理するSRは行われていませんでした。
レビュー対象とした研究の特性:複数のデータベースを用いて論文を収集しました。基準に見合った論文はRCT(真実を示す可能性が高いとされる研究方法)1編でした。この論文は、株式会社ファンケルが費用を負担した研究でした。その他に利益相反(何らかの利害関係が衝突するような事項)に関する申告はありませんでした。
主な結果:採用論文は、健康な日本人男女を対象に、I:1.75mg・C:100mg・S:0.85mgの摂取後に米飯を摂取し、食後の血糖値を評価していました。その結果、食後の血糖値の血中濃度曲線下面積(AUC:血糖上昇を比較する指標)、血糖値の変化量のAUC、食後の血糖値と食前からのその変化量が有意に低下を示し、ICSは食事の糖の吸収を抑える機能、食後の血糖値の上昇を抑える機能を有する可能性があることが示されました。
科学的根拠の質:採用論文における研究のバイアス(真の値とは異なる結果を導く可能性を高める要因)のリスクは低く、肯定的な結論は支持されると判断しました。しかし、1編の報告であったことから結果の一貫性は考察できず、出版バイアスも否定できないことから、エビデンスの確実性は、「やや信頼できる(C)」と考えられました。今後の研究に注目することが必要と考えています。
【食事の脂肪の吸収を抑える機能、食後の血中中性脂肪値の上昇を抑える機能】
標題:茶花サポニンによる食事の脂肪の吸収を抑える機能、食後の血中中性脂肪値(TG)の上昇を抑える機能に関するSR
目的:茶花サポニンによる食事の脂肪の吸収を抑える機能、食後のTGの上昇を抑える機能について検証することを目的としました。
背景:茶花サポニンの食事の脂肪の吸収を抑える機能、食後のTG上昇を抑える機能についての研究報告はありましたが、空腹時のTGが正常またはやや高めの人に対する研究を包括的に整理するSR は行われていませんでした。
レビュー対象とした研究の特性:複数のデータベースを用いて論文を収集しました。基準に見合った論文はRCT1編でした。この論文は、原料メーカーの協力による研究でした。
主な結果:採用論文は、健康な日本人男女を対象とし、空腹時のTGが正常及びやや高めの対象者において、茶花サポニン0.85 mgを含む食品摂取後に、脂肪の多い食事を摂取し、食後のTGを評価していました。その結果、いずれの対象者も、茶花サポニン0.85mg摂取により、食後TGの変化量、食前から食後のTGの変化量の血中濃度曲線下面積(iAUC:TGの上昇を比較する指標)が有意に低下を示し、茶花サポニンは食事に含まれる脂肪の吸収を抑える機能、食後のTGの上昇を抑える機能を有する可能性があることが示されました。
科学的根拠の質:採用論文における研究のバイアスのリスクは低く、肯定的な結論は指示されると判断しました。1編の報告であったことから結果の一貫性は考察できず、出版バイアスが否定できませんでした。今後の研究に注目することが必要と考えています。
【脂肪の代謝を助け消費しやすくする機能】
標題:ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン(以下BGMと記す)による脂肪の代謝を助け消費しやすくする機能に関するSR
目的:BGM摂取による脂肪の代謝を助け消費しやすくする機能について検証することを目的としました。
背景:BGMの脂肪を消費しやすくする機能についての研究報告はありましたが、それらの研究を包括的に整理したSRは行われていませんでした。
レビュー対象とした研究の特性:複数のデータベースを用いて論文を収集しました。基準に見合った論文はRCT1編でした。この論文は、原料メーカーの協力による研究でした。
主な結果:採用論文は、健康な日本人男性を対象に、BGM12mgの摂取による日常活動時の脂肪と糖の消費割合を示す呼吸商を評価し、明らかな低下が認められました。このことから、BGM12mgの摂取は脂肪の代謝を助け消費しやすくする機能を有する可能性が示されました。
科学的根拠の質:採用論文のバイアスリスクは低く、肯定的な結論は指示されると判断しました。しかし1編の報告であったことから、結果の一貫性は考察できず、出版バイアスが否定できないことから、エビデンスの確実性は「中程度の信頼度(C)」と考えられました。今後の研究に注目することが必要と考えています。
【腹部の脂肪を減らす機能】
標題:BGM による腹部の脂肪を減らす機能に関するSR
目的:BGM摂取による腹部の脂肪を減らす機能について検証することを目的としました。
背景:BGMの腹部の脂肪がつきにくくなる機能についての研究報告はありましたが、それらの研究を包括的に整理したSRは行われていませんでした。
レビュー対象とした研究の特性:複数のデータベースを用いて論文を収集しました。基準に見合った論文はRCT 2編でした。この論文は、原料メーカーの協力による研究でした。主な結果:採用論文は、BMIが高め(23以上30未満)の健康な日本人男女を対象に、BGM12 mg/日の摂取による腹部の脂肪面積を評価し、明らかな低下が認められました。
科学的根拠の質:採用論文における研究のバイアスリスクは低く、エビデンスの確実性は「高い信頼度(A)」と評価しました。そのため、肯定的な結論は指示されると判断しました。しかし、出版バイアスが否定できず、今後の研究に注目することが必要と考えています。
【腹部脂肪・体重の減少をサポートし、高めのBMIを低下させる機能】
標題:ローズヒップ由来ティリロサイド(以下RHTと記す)による腹部脂肪、体重、およびBMIを低下させる機能に関するSR
目的:RHT摂取による腹部脂肪、体重、およびBMIを低下させる機能について検証することを目的としました。
背景:RHTの体脂肪低減作用の報告はありましたが、腹部脂肪、体組成への作用を評価したSRは行われていませんでした。
レビュー対象とした研究の特性:複数のデータベースを用いて論文を収集しました。基準に見合った論文はRCT 1編でした。この論文は、原料メーカーの協力による研究でした。
主な結果:採用論文は、BMIが高め(25以上30未満)の健康な日本人男女を対象としていました。RHT 0.1mg/日摂取により、腹部CT撮影の評価において、腹部脂肪面積の低下、体重、BMIの低下が認められました。
科学的根拠の質:採用論文における研究のバイアスリスクは低く、肯定的な結論は指示されると判断しました。しかし、1編の報告であったことから、結果の一貫性は考察できず、出版バイアスも否定できないことから、今後の研究に注目することが必要と考えています。
【お通じを改善する機能】
標題:植物性乳酸菌 K-1(L. casei 327)(以下K-1と記す)の便通改善作用に関するSR
目的:K-1摂取による便通を改善する機能について検証することを目的としました。
背景:K-1は主に整腸作用が期待され、臨床試験により有効性が報告されていますが、便通改善作用に関するSRは行われていませんでした。
レビュー対象とした研究の特性:複数のデータベースを用いて論文を収集しました。基準に見合った論文はRCT 1編でした。この論文は、原料メーカーの協力による研究でした。
主な結果:採用論文は、便秘傾向のある健康な日本人男女を対象に500億個/日のK-1摂取により、便通の改善が認められました。
科学的根拠の質:採用論文における研究のバイアスリスクは低く、肯定的な結論は指示されると判断しました。しかし、1編の報告であったことから、結果の一貫性は考察できませんでした。出版バイアスも否定できないことから、今後の研究に注目することが必要と考えています。 |