A:精神的ストレスや疲労感の緩和
【標題】最終製品「サンクトプロテイン WPC(ダブリューピーシー)チョコミント風味」に含有する機能性関与成分GABAによる血圧低下機能に関するシステマティックレビュー
【目的】健常者が、GABA含有食品を経口摂取することにより、プラセボ食品の経口摂取と比較して、ストレス及び疲労感緩和機能がみられるか、検証することを目的とした。
【背景】現在の日本社会はストレス社会と言われることもあるほどストレスを抱えやすい状況にあり、令和4年の労働安全衛生調査によると、8割を超える労働者がストレスを抱えながら勤務している実態が明らかになっている。ストレス負荷がかかることで神経伝達効率の低下などが生じ、疲労感、集中力の低下などが発生し、精神疲労は意欲の低下を引き起こし、慢性化するとうつ病・自殺といった大きな問題へとつながる可能性がある。このような社会的背景から、ストレスや疲労感を緩和する機能を有する機能性食品の研究開発が進められている。GABAは自然界に広く存在するアミノ酸の一種で、ヒトの脳で抑制性神経伝達物質として働き、血圧低下作用やストレス軽減作用が報告されている。またGABAを経口摂取することで、ストレス及び疲労感緩和機能を有することが報告されている。これらの背景を踏まえ、健常者がGABAを摂取することで、ストレス及び疲労感緩和機能がみられるか、研究レビューを実施し検証した。
【レビュー対象とした研究の特性】海外についてはPubMed、The Cochrane Libraryを使用し、国内のデータ検索としては医中誌Web、CiNii Research、JDreamⅢのデータベースを用いて文献を検索した(検索日:2024年1月15日、検索対象:全期間)。事前に定めた基準に従い、健常者によるストレス及び疲労感緩和機能についての文献3報を採用した。
【主な結果】GABAを摂取した際の評価項目「ストレス」「疲労感」について採用論文3報の精査により調査したところ、日本人の健常者がGABAの摂取によって、プラセボ群と比較し有意な低下が3報中2報で確認され、ストレス及び疲労感緩和機能があることが確認された。
【科学的根拠の質】研究の限界として、論文間の異質性が高く、メタアナリシスが実施されていないことがあげられる。また英語及び日本語の論文のみを抽出したため言語バイアスは否定できず、非精確の疑いがある。3報のうち1報で選択バイアス、1報で症例減少バイアスの疑いが見られた。また3報のうち1報でアウトカム評価者の盲検性バイアスが確認された。非直接性、非一貫性、出版バイアスは見られず、「ストレス」「疲労感」において採用論文3報のうち2報でプラセボ群と比較して有意差が認められたため、エビデンスの確実性は高(A)と判断した。
B: 血圧低下機能
【標題】最終製品「サンクトプロテイン WPC(ダブリューピーシー)チョコミント風味」に含有する機能性関与成分GABAによる血圧低下機能に関するシステマティックレビュー
【目的】健常者(正常高値血圧者を含む)およびⅠ度高血圧者が、GABA含有食品を経口摂取すると、プラセボ食品の経口摂取と比較して、血圧低下機能が見られるか検証することを目的とした。
【背景】現在の日本では生活習慣病が社会的な問題となっており、高血圧性疾患における日本の患者数は、厚生労働省の患者調査によると、令和二年時点で1,511万人にも上っており、今後さらなる高齢化が進むことにより、高血圧患者が増加していくことが懸念される。高血圧の予防には食生活の改善が重要であるが、血圧の低下機能を有する機能性食品の研究開発が進められている。GABAは自然界に広く存在するアミノ酸の一種で、ヒトの脳で抑制性神経伝達物質として働き、血圧低下作用やストレス軽減作用が報告されている。また近年血圧が高めの者がGABAを経口摂取することで、血圧が低下することが報告されている。これらの背景を踏まえ、健常者(正常高値血圧者を含む)およびⅠ度高血圧者がGABAを摂取することで、血圧低下機能がみられるか、研究レビューを実施し検証した。
【レビュー対象とした研究の特性】海外についてはPubMed、The Cochrane Libraryを使用し、国内のデータ検索としては医中誌Web、CiNii Research、JDreamⅢのデータベースを用いて文献を検索した(検索日:2024年1月15日、検索対象:全期間)。事前に定めた基準に従い、健常者(正常高値血圧者を含む)およびⅠ度高血圧者による血圧低下機能についての文献15報を採用した。
【主な結果】GABAを摂取した際の評価項目「収縮期血圧」「拡張期血圧」について採用論文15報の精査により調査したところ、日本人の健常者(正常高値血圧者を含む)およびⅠ度高血圧者がGABAの摂取によって、プラセボ群と比較し血圧の有意な低下が15報中10報で確認され、高めの方の血圧を低下させる機能があることが確認された。
【科学的根拠の質】研究の限界として、論文間の異質性が高く、メタアナリシスが実施されていないことがあげられる。また英語及び日本語の論文のみを抽出したため言語バイアスは否定できない。採用論文15報のうち1報について選択バイアスが、5報で症例減少バイアスが、3報で盲検性バイアスの疑いが見られたが、非直接性、非一貫性、不精確、出版バイアスは見られず、「収縮期血圧」「拡張期血圧」において採用論文15報のうち10報でプラセボ群と比較して有意差が認められたため、エビデンスの確実性は高(A)と判断した。 |