【非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)】
(ア)標題
機能性関与成分である「非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)」を含む食品を摂取した場合における関節の機能に関する研究レビュー
(イ)目的
本研究レビューでは、健常者を対象とした非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)を含む食品を摂取した群が、非摂取群(プラセボ群;非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)を含まない食品を摂取したグループ)と比較して関節への効果について、国内外の研究論文を網羅的に調査して、科学的に評価することを目的とした。
(ウ)背景
健常者の関節には変性していない状態のⅡ型コラーゲン(すなわち、非変性Ⅱ型コラーゲン)が存在しており、関節軟骨での構成割合は15~20%程度である。非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)は、これまでに関節症患者において経口免疫寛容作用による関節の快適さ(痛みや腫れなど)に有用であることが報告されている。そこで、健常者における関節への効果についても期待できると考えられる。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
日本語及び英語文献の国内外のデータベース(医中誌Web、CiNii、J-STAGE、PubMed、CINAHL Complete、Scopus、Google Scholar)を用い、検索日以前において、健常者を対象にした非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)の経口摂取によって関節への機能を検討したランダム化コントロール比較試験に関する文献を検索し、抽出した研究論文を評価した。
(オ)主な結果
採択・評価された研究論文は3報であり、いずれも健常者を対象にしたランダム化コントロール比較試験で査読付き論文であったことから、信頼性の高い研究であった。いずれの研究論文も肯定的な結果であった。まず、日本人の健常者を対象にした臨床試験では、非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)(3.2mg/日;当該製品と同じ原材料及び同じ定量方法)の経口摂取により、プラセボ群と比較して摂取12週間後において、膝(ひざ)関節の柔軟性及び可動性(膝関節の動く範囲、曲げ伸ばし範囲)、日常生活(歩行、階段昇降、しゃがむ、正座する、正座や椅子から立つ等)における膝及び腰の違和感、また日常生活(寝返り、腰を反らず、腰をひねる等)における腰の違和感、歩行機能及び階段昇降機能(スムーズな歩行や階段の昇り降り)を有意に改善させた。また、ドイツで実施された研究では、非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)(1.2mg以上/日)の経口摂取は、プラセボ群と比較して摂取24週間後において、膝関節の屈曲(柔軟性及び可動性)を有意に改善させた。さらに、アメリカで実施された研究では、非変性Ⅱ型コラーゲン (10mg/日;現在の定量方法では非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)2.3mg/日に相当)の経口摂取は、プラセボ群と比較して摂取120日間後において、膝関節の柔軟性及び可動性(膝関節の動く範囲、曲げ伸ばし範囲)を有意に改善させた。これらの研究報告において、非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)の経口摂取によって、経口免疫寛容が誘導される作用などが考察され、膝(ひざ)関節の柔軟性・可動性をサポートする、日常生活における膝及び腰の違和感の軽減、歩行機能及び階段昇降機能の向上(スムーズな歩行や階段の昇り降りのサポート)することが示された。なお、試験期間中において機能性関与成分の経口摂取に起因する有害事象は無かった。
(カ)科学的根拠の質
採用された研究論文は3報ではあったが、査読付き論文であり、研究デザインがRCTであったため、エビデンスの質は高いと考えられる。また、本研究レビューの限界については、未発表の研究データが存在する可能性が否定できないものの、文献検索は科学技術分野から医療分野の主要なデータベースを使用しているため、現時点で公表されている当該研究をほぼ網羅していると判断した。なお、採用論文が3報と少ないことから、今後さらなる研究の検証が必要である。
【ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン】
〈中高年の方の歩く力を維持する機能〉
(ア)標題
機能性関与成分「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」の歩行能力の維持に与える効果に関する定性的研究レビュー
(イ)目的
健康な成人がブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを継続摂取したときの歩行能力に対する有効性を検証することを目的とした。
(ウ)背景
身体機能は加齢により衰えていくが、日々の運動や食事などにより維持することができると考えられる。これについて、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの摂取によって歩行能力が維持されることが報告されているため、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンと歩行能力に関する研究レビューを実施し、科学的エビデンスの確認を行った。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
国内外の研究論文データベースを使用して2019年9月以前の全ての論文を検索し、ヒトを対象としたランダム化二重盲検比較試験の文献2件を研究レビューの対象とした。
(オ)主な結果
レビューの対象とした文献のうち、1報は60歳以上のタイ人被験者にブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン7.2 mgを8週間継続摂取させることで、歩行能力の指標とされる6分間歩行テストにおいて、プラセボ群と比較して歩行距離が増加した。もう1報は65歳以上の日本人被験者にブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgを8週間継続摂取させることで、同様に6分間歩行テストにおいて、プラセボ群と比較して歩行距離が増加した。以上の結果から、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgを含む本届出品には、中高年の方の歩く力を維持する機能があると考えられた。
(カ)科学的根拠の質
採用した文献数や、被験者数の観点で十分な精査には至らなかったことから、今後の研究を注視する必要がある。
一方で、採用した文献のいずれにおいても、健康な中高年齢者で有意に歩行能力の増加が認められた。日本人を対象とした試験においても有効との結果が得られており、科学的根拠があると考えられる。
以上より、本届出品は採用した文献と同様のブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12mgを含有しており、中高年の方の歩く力を維持する機能が期待できると考えられた。
〈腹部の脂肪を減らす機能〉
(ア)標題
機能性関与成分「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」の経口摂取による、腹部の脂肪に与える影響に関する研究レビュー
(イ)目的
健康な方に対するブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価した。
(ウ)背景
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの脂肪に対する影響に関して、培養ヒト細胞を用いたin vitro実験や、マウスを用いた動物実験では、脂肪の分解を促進する作用があると報告されている。しかし、ヒトを対象とした、脂肪に対する影響を評価した文献を包括的に整理する研究レビューはなかった。そこで、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを継続的経口摂取することにより、腹部の脂肪に与える影響について検証を行った。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して英語及び日本語の文献を検索し、採択基準に合致した文献2報を採用した。採用文献はいずれも、20-64歳の、BMIが高めの健康な日本人成人男女を対象者とした試験で、脂質異常・高血糖・高血圧に該当する対象者は含まれていなかった。
(オ)主な結果
採用文献2報から、健康な成人男女がブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを1日当たり12 mg含む食品を12週間継続摂取することで、含まない食品を摂取した場合と比較して、腹部の脂肪面積が有意に減少させたことが確認された。
(カ)科学的根拠の質
評価した文献が2報のため出版バイアスについて否定できないものの、いずれの文献も日本人を対象としたランダム化比較試験であり、予め設定された試験計画に沿って試験が実施されており、信頼できる研究であると考えられた。よって、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを1日当たり12mg継続摂取することによって、腹部の脂肪を減らす機能が認められ、その科学的根拠の質が高いと考えられる。 |