1.「コーヒー豆由来クロロゲン酸類には、以下の機能が報告されています。○気温や室温が低い時などの冷えにより低下した血流(末梢血流)を改善」する機能に関する評価
(ア)標題
コーヒー豆由来クロロゲン酸類が、冷えにより低下した末梢血流の回復に及ぼす影響について
(イ)目的
冷えを感じる成人健常者が、コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含む食品を摂取することで、コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含まない対照食品の摂取と比較し、冷えにより低下した末梢血流の回復が改善される効果があるかを検証した。
(ウ)背景
コーヒー豆由来クロロゲン酸類の冷えにより低下した末梢血流の回復を改善する効果を検証した研究レビューはない。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
3つのデータベースを用いて文献検索を実施し、冷えを感じる成人健常者を対象とした、コーヒー豆由来クロロゲン酸類含有食品を単回摂取させたランダム化比較試験(RCT)(*)報を採用した。なお、この論文著者に試験食品の製造元社員が含まれていた。
(オ)主な結果
コーヒー豆由来クロロゲン酸類を270mg単回摂取することで、冷えを感じる成人健常者の、冷えにより低下した皮膚血流(末梢血流)の回復を改善する効果が確認された。なお、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の摂取による有害事象の報告はなかった。
(カ)科学的根拠の質
採用文献が1報と少なく、出版バイアスの可能性も否定できないが、解析対象者数は21名であり、機能性の評価可能な人数であると考えられる。また、本臨床試験(ヒト試験)は、ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー法により実施されたため、選択バイアスや、その他のバイアスリスクは低く、結果の科学的信頼性は担保されていると考えられる。採用文献は、日本人女性を対象とした試験だったが、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の作用機序を考慮すると、性別により機能性や有効性に大きな差が生じることは考えにくいため、日本成人男性への外挿性に問題はないと考えられる。また、採用文献は、手指先(手部末梢)の皮膚血流に対するコーヒー豆由来クロロゲン酸類の効果を検証していたが、当該機能性関与成分の作用機序を考慮すると、手部末梢と同様に足部末梢においても同様の機能性や有効性を示すと考えられ、採用論文の結果を四肢末梢に外挿することに問題はないと考えられる。
2.「コーヒー豆由来クロロゲン酸類には、以下の機能が報告されています。○気温や室温が低い時などの冷えにより低下した皮膚温(末梢皮膚温)の回復を助ける機能」に関する評価
(ア)標題
コーヒー豆由来クロロゲン酸類が、冷えにより低下した末梢の皮膚温の回復に及ぼす影響について
(イ)目的
冷えを感じる成人健常者が、コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含む食品を単回摂取することで、コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含まない対照食品の摂取と比較し、冷えにより低下した末梢の皮膚温の回復が改善される効果があるかを検証した。
(ウ)背景
コーヒー豆由来クロロゲン酸類の冷えにより低下した末梢皮膚温の回復を改善する効果を検証した研究レビューはない。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
3つのデータベースを用いて文献検索を実施し、冷えを感じる成人健常者を対象とした、コーヒー豆由来クロロゲン酸類含有食品を単回摂取させたランダム化比較試験(RCT)(*)2報を採用した。なお、これらの論文著者に試験食品の製造元社員が含まれていた。
(オ)主な結果
いずれの論文においても、コーヒー豆由来クロロゲン酸類を270mg単回摂取することで、冷えを感じる成人健常者の冷えにより低下した低下した皮膚温(末梢皮膚温)の回復を改善する効果が確認された。なお、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の摂取による有害事象の報告はなかった。
(カ)科学的根拠の質
採用文献が2報と少なく、出版バイアスの可能性も否定できないが、解析対象者数は1報が21名、もう1報は22名であり、機能性の評価可能な人数であると考えられる。また、本臨床試験(ヒト試験)は、ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー法により実施されたため、選択バイアスや、その他のバイアスリスクは低く、結果の科学的信頼性は担保されていると考えられる。採用文献2報は、それぞれ日本人女性、日本人男性を対象とした試験であることから、機能性や有効性に性別による差は少ないと考えられる。また、両採用文献は、手指先(手部末梢)の皮膚温に対するコーヒー豆由来クロロゲン酸類の効果を検証しているが、当該機能性関与成分の作用機序を考慮すると、手部末梢と同様に足部末梢においても同様の機能性や有効性を示すと考えられ、採用論文の結果を四肢末梢に外挿することに問題はないと考えられる。
3.「コーヒー豆由来クロロゲン酸類には、以下の機能が報告されています。○肌の水分量を高め乾燥を緩和する機能」に関する評価
(ア)標題:コーヒー豆由来クロロゲン酸類の肌の乾燥に対する影響の定性的研究レビュー
(イ)目的:肌の乾燥が気になる疾病に罹患していない者に対する、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の摂取が、コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含まない対照食品の摂取と比較し、肌の乾燥を緩和するか、に対して定性的研究レビューで検証した。
(ウ)背景:コーヒー豆由来クロロゲン酸類には、肌の乾燥改善などの効果が報告されている。本研究レビューでは、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の肌の乾燥を緩和する効果を検証するために定性的研究レビューを実施した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性:3つのデータベースを用いて文献検索し、2報を採用論文とした。採用文献はともに、肌の乾燥が気になる健常な日本人成人女性を対象とし、コーヒー豆由来クロロゲン酸類含有食品を摂取させ、角層水分量を対照食品の摂取と比較したランダム化比較試験(RCT)(*)であった。採用文献2報とも、著者に試験食品製造元の社員が含まれていた。
(オ)主な結果:コーヒー豆由来クロロゲン酸類を摂取することで、肌の水分量を増加させることが示された。なお、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の摂取による有害事象の報告はなかった。
(カ)科学的根拠の質:採用文献が2報と少なく、出版バイアスの可能性も否定できないが、2報とも試験参加者が比較的多いRCTで、一貫してコーヒー豆由来クロロゲン酸類の摂取による肌の水分量を増加させる効果が認められていることから、肌の水分量を増加させる効果の科学的根拠は担保されていると考えられた。
4.「コーヒー豆由来クロロゲン酸類には、以下の機能が報告されています。○睡眠の質(夜中の中途覚醒時間を減らす・起きた時の疲労感を減らす)を高める機能」に関する評価
(ア)標題:コーヒー豆由来クロロゲン酸類の睡眠の質に対する影響の定性的研究レビュー
(イ)目的:疾病に罹患していない者に対する、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の摂取が、プラセボ(コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含有しない)の摂取と比較し、睡眠の質を高めるか、に対して定性的研究レビューで検証した。
(ウ)背景:コーヒー豆由来クロロゲン酸類の経口摂取が睡眠の質に与える影響を検証するため、定性的研究レビューを実施した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性:3つのデータベースを用いて文献検索し、2報を採用文献とした。採用文献はともに、疾病に罹患していない者を対象とし、コーヒー豆由来クロロゲン酸類含有食品、またはプラセボ(コーヒー豆由来クロロゲン酸類を含有しない)食品を摂取させ、睡眠の質を評価するランダム化比較試験(RCT)(*)であった。採用文献2報とも、著者に試験食品製造元の社員が含まれていた。
(オ)主な結果:コーヒー豆由来クロロゲン酸類の摂取により、睡眠の質(中途覚醒時間、睡眠の効率、起床時疲労感、主観的睡眠の質、入眠するまでの時間)が有意に改善しており、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の睡眠の質を改善する効果が示された。
(カ)科学的根拠の質:出版バイアスと不精確の疑いの可能性があるが、採用文献2報で一貫してコーヒー豆由来クロロゲン酸類の睡眠の質改善効果が示されていることから、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の睡眠の質を高める機能性の科学的根拠は担保されていると考えられた。
(*)ランダム化比較試験(RCT):評価の偏りを避けて客観的に効果を評価できる試験方法で、信頼性の高い結果が得られる試験方法。 |