1.一時的な精神的ストレスを緩和する機能
【標題】
本届出製品「GABA(ギャバ)100a」に含有する機能性関与成分「GABA」によるデスクワークに伴う一時的な精神的ストレスを緩和する機能性に関するシステマティックレビュー
【目的】
健常者においてGABAの摂取は、GABAを含まない食品を摂取した場合と比較してデスクワークに伴う一時的な精神的ストレスを緩和するかについて、システマティックレビューによって評価することを目的とした。
【背景】
ストレスが原因で発症する疾患は数多く知られており、精神的ストレスを緩和したりリラックス状態を保つことは心身の健康維持に非常に重要であり、GABAのストレス軽減効果についても期待がもたれている。よってGABAを機能性関与成分とした機能性表示食品を販売するにあたり、改めてその効果について検証するため本研究レビューを行った。
【レビュー対象とした研究の特性】
2016年2月26日に研究報告データベースを用いて関連研究を検索した。研究の適格基準は、査読付の無作為化試験(評価の偏りを避け、客観的に効果を評価するための試験方法)およびこれに準じる研究とし、研究の参加者は健常成人であることとした。この検索より8報の研究をレビュー対象とした。
【主な結果】
脳波(α波)のシグナル強度、VAS(主観的疲労感)スコア、唾液中クロモグラニンA量、唾液中コルチゾール量、副交感神経活動によって精神的ストレスを評価した結果、各指標においてGABAの摂取による有意な効果が確認された。これらの指標は、一般的に精神的ストレスの評価に採用されており、レビューの結果より28~100mgのGABAの摂取によって精神的負荷に伴う一時的な精神的ストレスの緩和およびリラックス効果が示唆された。
【科学的根拠の質】
本研究レビューには以下の限界が存在する。
1)研究方法やデータの解析方法についてバイアス(偏り)があり、正確な結果が出るような方法ではない可能性が否定できない。また、試験品の原料供給を担うメーカーが著者に含まれる等の利益相反も認められた。
2)健常成人を対象者に設定しているため、病者に関しては本研究レビューの対象外である。
3)GABAの安全性については別の切り口での評価が必要である。
4)評価対象論文数は8報と少ないことから、今後更なる有効性の検証が必要である。
5)今後GABAの消化吸収を妨げる恐れのある成分が報告された場合は、その成分との配合には注意が必要である。
2.血圧が高めの方の血圧を下げる機能
【標題】
本届出製品「GABA(ギャバ)100a」に含有する機能性関与成分「GABA」による血圧降下の機能性に関するシステマティックレビュー
【目的】
正常血圧および血圧が高めの人(I度高血圧者含む)において、GABA配合食品を8週間以上の経口摂取は、プラセボ対照と比較して血圧を改善するかについて検証することを目的とした。
【背景】
GABAの血圧降下作用について個々の研究は複数実施されているものの、研究成果全体をまとめたレビューは発表されていない。GABAを含んだ機能性表示食品を販売するにあたり、GABA配合食品の血圧降下作用について定性的システマティックレビューにて評価した。
【レビュー対象とした研究の特性】
正常血圧および血圧が高めの人(Ⅰ度高血圧者含む)におけるGABA配合食品の8週間以上の経口摂取が、収縮期血圧および拡張期血圧を指標とした血圧の改善に与える影響に関する2016年3月16日以前に報告されている研究(日本語、英語問わない)を検索対象とした。設定した適合基準を満たした14研究について、システマティックレビューを行った。対象文献はプラセボ対照比較試験で、査読付き雑誌であった。
【主な結果】
14研究における対象は14~177例、摂取期間は8~16週、GABAの1日摂取量は10~120mgであった。血圧が高めの人(I度高血圧者含む)において、12.3mg~120mg/日のGABA配合食品を8週間以上の経口摂取は血圧降下作用が認められた。正常血圧者に対して影響が示されなかった。また安全性の問題は認められないと結論付けられた。
【科学的根拠の質】
本研究に用いた論文の中には、研究デザインに不明な点があるものもあったが、ほぼすべての論文で、適切な被験者数で、かつ、本研究レビューの目的に合った条件で試験がなされており、直接的な科学的根拠として問題のないものであった。ただし、本研究には以下の限界も存在する。
①信頼性の高いプラセボ比較試験であったが、研究計画の事前登録や利益相反などの問題も存在するため、バイアスの混入は否定できない。また、メタアナリシスを行わず、公表バイアスは検出できなかった。
②摂取期間が最長でも16週間であるため、これ以上継続摂取した際の影響は不明である。
③評価対象論文数は14報と多くは言えないことから、今後更なる有効性の検証が必要である。
3.睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を向上させる機能
【標題】
本届出製品「GABA(ギャバ)100a」に含有する機能性関与成分「GABA」による睡眠の質(眠りの深さ)の改善効果
【目的】
GABAの経口摂取が日常生活の睡眠の質に及ぼす影響を調査するため,研究レビューを実施した。本研究レビューは,健康な成人を対象としてGABAを経口摂取することによる睡眠の質への有効性を,GABAを含まない被験食品「プラセボ」を対象として明らかにするために実施した。
【背景】
慢性的にストレスを感じていると,睡眠の質の悪化による記憶力,集中力および生活の質(QOL)の低下や疲労感の増加が引き起こされる。よって,精神的なストレスを緩和することは睡眠の質を改善することに繋がると考えられる。
GABAの機能性については精神的ストレスの軽減作用もいくつか報告されていることから,GABAの摂取はストレスの軽減による睡眠の質改善作用があると考えられた。しかしながら,健康な成人を対象としてGABAの睡眠の質改善作用を検証したシステマティックレビューはなかったことから,本研究レビューを実施した。
【レビュー対象とした研究の特性】
抽出された対象研究1件は,別紙様式(V)-7 に示したように以下の特徴があった。GABAの経口摂取に関して継続摂取試験について報告されていた。対象者を健常な範囲内で睡眠に問題を感じている成人10名として,プラセボ(澱粉分解物)または試験品(GABA100 mg)を1日1回,1週間摂取させていた。解析の結果,プラセボ群と比較して,sleep latency(入眠潜時)およびtotal non-REM sleep time(総ノンレム睡眠時間)の有意な改善が認められた。本試験における脱落者はいなかった。また,本試験は「ヘルシンキ宣言に準拠した」と明記されていた。
【主な結果】
対象となった研究は1件で,健常な範囲で睡眠に問題を感じている健康な成人がGABAを1日あたり100 mg摂取しており,睡眠時脳波に関して肯定的な報告であった。本研究レビューの結果から,GABAの1日あたりの有効な摂取量は,100 mgであると判断した。
【科学的根拠の質】
本研究は以下の限界を有する。
1)公表バイアスは検出されず,いずれもプラセボ対照RCTではあったが,利益相反も存在するため,バイアスの混入は否定できない。
2)安全性については,サンプルサイズ,期間ともに十分とは言えないので,GABAの安全性については別の切り口での評価が必要である。
3)評価対象論文数は1報と少ないことから,今後更なる有効性の検証が必要である。 |