<血中LDLコレステロール低下機能について>
(標題)
「アマニ油効果入り和風たまねぎドレッシング」に含有する機能性関与成分 α-リノレン酸の血中LDLコレステロール低下機能に関する研究レビュー
(目的)
健常成人がα-リノレン酸を経口摂取することにより、プラセボの経口摂取と比べて血中LDLコレステロールが改善するかについて検証した。
(背景)
α-リノレン酸が血中LDLコレステロールの代謝を改善したという動物実験はあるものの、ヒトに対する研究報告は少ない。このため、血中LDLコレステロールが高めの者がα-リノレン酸を摂取すると血中LDLコレステロールにどのような変化をもたらすのか、研究レビューを行うこととした。
(レビュー対象とした研究の特性)
2021年1月14日までに発表された血中LDLコレステロールが高め(血中LDLコレステロールが139mg/dL未満)の方を対象に、アマニ油を摂取させた後にLDLコレステロールの変化を観察した文献を各種データベースから収集した。研究内容や質を考慮した上で、最終的に3報の論文を採用した。いずれの論文も信頼度の高い研究デザインが用いられていた。
(主な結果)
選択した論文から結果のデータを抜き出して統計解析したところ、検索した範囲内にある質の高い研究をまとめて見た場合は、α-リノレン酸が血中LDLコレステロールを低下させていると科学的に判断できる結果が得られた。
(科学的根拠の質)
健常成人(LDLコレステロールが高めの者を含む)が1日あたりα-リノレン酸2.2g以上を摂取することにより、血中LDLコレステロールが低下することが確認された。レビューに採用した論文の偏りはないと考えられるが、マイナスデータが報告されていない可能性は否定できない。
<血圧が高めの方の血圧を低下させる機能について>
(標題)
「アマニ油効果入り和風たまねぎドレッシング」中のα-リノレン酸による血圧に対する機能に関する研究レビュー
(目的)
α-リノレン酸が血圧に与える影響について、血圧が高めの方を対象としたヒト臨床試験の結果を通して検証し、その有効性を評価することとした。
(背景)
α-リノレン酸の経口摂取について、血圧の低下に寄与する可能性が示唆されていたが、正常高値血圧者を対象にα-リノレン酸の有効性を評価した結果は報告されていなかった。
(レビュー対象とした研究の特性)
2020年8月25日までに発表された外来血圧値が正常値(収縮期血圧130mmHg未満、拡張期血圧85mmHg未満)、正常高値(収縮期血圧130~139mmHg、拡張期血圧85mmHg~89mmHg)の方を対象に、α-リノレン酸を含有する加工食品を経口摂取させた文献を各種データベースから収集した。なお、本レビューでは血圧が正常高値の方を「血圧が高めの被験者」と定義することとした。研究内容や質を考慮した上で、最終的に1報の論文を採用した。収集した論文は信頼度の高い研究デザインが用いられていた。また、レビューの実施者である株式会社ニップンと関わりのある論文はなかった。
(主な結果)
本レビューによって、血圧が正常高値である健康な成人男女がα-リノレン酸を摂取することにより、収縮期血圧および拡張期血圧の低下が認められることが示唆された。非直接性、不精確、非一貫性及びその他のバイアスに関する評価を総合的に判断してエビデンスの強さの決定を行った結果、B(中)(効果の推定値に中程度の確信がある)と評価した。また、血圧の低下は正常血圧の範囲内で認められており、正常血圧を超えて低下するものはなかった
(科学的根拠の質)
本研究レビューの結果、血圧が高めの方がα-リノレン酸を経口摂取することで、血圧が有意に低下することが示唆されたため、表示しようとする機能性の科学的根拠になると判断した。本レビューで採用した文献は日本人を対象とした試験であり、日本人への外挿性について問題はないと考えられる。α-リノレン酸の一日あたり摂取量については採用文献中での2.6g以上を適用できると考えられる。 |