安全性 |
届出食品は機能性関与成分GABAを1日摂取目安量あたり30mg含む清見果汁100%の飲料である。原材料の柑橘果実の清見は、1949年に温州ミカンの「宮川早生」に「トロビタオレンジ」の花粉を交配し育成した柑橘品種であり、国産柑橘の中ではもともとGABAを多く含む品種である。わが国における清見の収穫量は、昭和57年の約1,100トンから緩やかに増加し、平成13年の約23,900トンをピークに緩やかに減少し、平成30年には約14,700トンとなっている。このうち、加工用として多い年で約10%程度がジュースの原料等に利用されている。このように清見の果実及びジュースを含む加工品は、年間を通じてごく一般的に消費されていることから十分な食経験を有する食品である。
届出食品の機能性関与成分であるGABAは、野菜(トマト、ジャガイモ、ナス 20~50mg/100g程度)、果物、茶、米、大豆、発酵食品等に含まれており、日常生活においていろいろな食品から摂取されている非タンパク質構成アミノ酸の一種である。届出食品に含まれる1日摂取目安量あたりのGABA含有量の30mgは、通常の食生活において十分摂取され得る範囲内の量であると考えられる。また、GABAを関与成分とした「血圧が高めの方に適する」特定保健用食品(GABAの1日あたりの摂取目安量が10~80mg配合のもの)の食品健康影響評価において「GABAは野菜や果物などに広く含まれており、GABAの食経験は十分あると考えられる」と評価され、「適切に摂取される限りにおいては、安全性に問題はない」とされている。喫食実績の評価として、当社は清見のストレートジュース190gビン及び缶(届出食品と同じ清見ジュース、容量が約1.4倍量)を2008年10月から2024年1月31日までの間に約302万本を販売、また、届出食品を2023年3月から2024年1月31日までの間に約76,300本を販売したが、その間、健康被害に関する苦情は発生していない。
以上のことから清見ジュースは、食品として十分な喫食実績があり、もともと含まれている機能性関与成分のGABAについても安全性に問題ないと判断した。ただし、GABAが降圧薬との併用で血圧の低下を引き起こす可能性が考えられることから、摂取上の注意に「降圧薬を服用している方は医師、薬剤師に相談してください。」と記載することで注意喚起をしています。 |
機能性 |
【表題】
最終製品「POM(ポン) アシタノカラダ清見ジュース」に含有する機能性関与成分GABAによる血圧低下の機能性に関する定性的研究レビュー
【目的】
日本人の正常高値血圧者およびⅠ度高血圧者に対して、GABAを含む食品の12週間以上の継続摂取が、血圧低下効果を有するかを明らかにするため、定性的研究レビューを実施した。
【背景】
GABAは、米、野菜、茶、発酵食品、発芽玄米、漬物等に含まれている成分で、高血圧者の血圧を低下させる作用が報告されている。GABAを含む機能性表示食品を販売するにあたり、血圧低下効果について検証するため、本研究レビューを行った。
【レビュー対象とした研究の特性】
3つのデータベース(最終検索日:2018年10月15日、19日)により文献検索を実施した。各データベースとも検索期間は限定せず、最終検索日までの全範囲を対象とした。検索された文献から「論文の質の評価」により、5報の文献を採用した。これらの文献は、健常な日本人成人で、罹患していない者(正常高値血圧者)及びⅠ度高血圧者を対象としたランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験であった。利益相反は5報すべてに記載がなかったので中/疑い(-1)と評価した。
【主な結果】
採用文献5報のうち4報で、GABAの12週間以上の摂取により対照群と比較して収縮期血圧と拡張期血圧の有意な低下が確認された。罹患していない者(正常高値血圧者)での層別解析を行った5報のうち4報でも同様に、対照群と比較して収縮期血圧と拡張期血圧の有意な低下が確認された。本研究レビューの結果からGABA 20mg/日以上の摂取は、収縮期血圧と拡張期血圧を有意に低下させる、血圧低下作用を有する肯定的な結果が得られた。
【科学的根拠の質】
6名の学識経験者からなる国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の農林水産物機能性評価委員会による評価では、「研究レベル、質、数」は肯定的な根拠がある「B」評価、「一貫性」についても肯定的な根拠がある「B」評価、科学的根拠レベルの総合評価のエビデンスの強さも肯定的な根拠がある「B」評価であった。上記により、研究レビューが表示しようとする機能性の根拠として妥当であると評価した。
【表題】
「POM(ポン) アシタノカラダ清見ジュース」に含まれる機能性関与成分GABAの摂取によるストレスや疲労感の軽減に関する定性的研究レビュー
【目的】
健常成人において、「GABAを含む食品の摂取がストレスや疲労感を軽減するか」を検証するため、定性的研究レビューを実施した。
【背景】
GABAには仕事や勉強などのデスクワークや日常生活における精神的ストレスからくる一時的な疲労感を緩和することが報告されている。GABAを含む機能性表示食品を販売するにあたり、健常成人においてGABAを含む食品を摂取するとストレスや疲労感を軽減する効果があるか検証するため、本研究レビューを行った。
【レビュー対象とした研究の特性】
3つのデータベース(最終検索日:2020年12月17日)により文献検索を実施した。各データベースとも検索期間は限定せず、最終検索日までの全範囲を対象とした。
検索により得られた423報の文献から適格基準に合致した2報の文献を採用した。いずれも健常な日本人成人を対象とした論文で、ランダム化二重盲検クロスオーバー試験であった。利益相反については、採用文献2報のうち1報に著者が試験食品提供事業者に所属していた。
【主な結果】
採用文献2報の結果については、一時的な精神的ストレスや疲労感の評価として、「唾液中クロモグラニンA」については2報中1報で肯定的、「自律神経活動」は1報中1報で肯定的、「主観的疲労感」については1報中1報で肯定的であった。採用した2報において、GABAの摂取量は28mg/回であった。本研究レビューの結果から、健常な成人がGABAを28mg/回摂取することで、一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和することが示された。
【科学的根拠の質】
6名の学識経験者からなる国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の農林水産物機能性評価委員会による評価では、「研究レベル、質、数」は示唆的な根拠がある「C」評価、「一貫性」についても示唆的な根拠がある「C」評価、科学的根拠レベルの総合評価のエビデンスの強さも示唆的な根拠がある「C」評価であった。上記により、研究レビューが表示しようとする機能性の根拠として妥当であると評価した。 |