【米由来グルコシルセラミド】
1. 標題
「i-skin(アイスキン)」に含有する機能性関与成分「米由来グルコシルセラミド」による経皮水分蒸散量および角質水分量に及ぼす影響の評価
2. 目的
健常者において植物由来グルコシルセラミドの経口摂取は,プラセボ対照と比較して経皮水分蒸散量と角質水分量を改善することにより肌の保湿力・乾燥を改善するかについて検証することを目的とした。
3. 背景
植物由来グルコシルセラミドは,経口摂取することで,ヒトの経皮水分蒸散量と角質水分量を改善することが報告されている一方で,そのエビデンスの総合性に関する研究報告はない。
4. レビュー対象とした研究の特性
健常者における米由来グルコシルセラミドおよびそれと同等性のある植物由来グルコシルセラミドの経口摂取が経皮水分蒸散量と角質水分量に及ぼす影響に関する2015年7月10日以前に報告されている研究(日本語,英語問わない)を検索対象とした。設定した適合基準を満たした4研究について,システマティックレビュー・メタアナリシスを行った。対象文献はプラセボ対照無作為化比較試験で,査読付き雑誌であった。
5. 主な結果
4研究における対象は100~173例,摂取期間は12週,グルコシルセラミド(米1報,コンニャク3報)の1日摂取目安量は1.8 mgであった。グルコシルセラミドの摂取による経皮水分蒸散量の有意な低下が認められた。この効果は顔部,腕部でも認められた。一方,角質水分量に対しては統計的に有意な効果は認められなかった。また副作用の報告はなかった。
6. 科学的根拠の質
米由来を含む植物由来グルコシルセラミドは1.8 mg/日の経口摂取により,経皮水分蒸散量を改善することが示唆された。但し本研究には以下の限界も存在する。
①信頼性の高いプラセボ比較試験であったが,研究計画の事前登録や利益相反の問題も存在するため,バイアスの混入は否定できない。
②摂取期間が12週間であるため,これ以上継続摂取した際の影響は不明である
③本レビューは米由来グルコシルセラミドの機能を評価することが主目的であるが,レビューにおいては同等性のある植物由来のグルコシルセラミド(米1報,コンニャク3報)を評価対象としていることに留意する必要がある。
④評価対象論文数は4報と少ないことから,今後更なる有効性の検証が必要である
【GABA】
1. 標題
「i-skin(アイスキン)」が含有する機能性関与成分「GABA」による弾力性の維持効果
2. 目的
GABAの経口摂取が肌の弾力性に及ぼす影響を調査するため,研究レビューを実施した。本研究レビューは,健康な成人男女を対象としてGABAを経口摂取することによる肌の弾力性への有効性を,GABAを含まない被験食品「プラセボ」を対象として明らかにするために実施した。
3. 背景
慢性的にストレスを感じていると,睡眠不足や疲労感の増加を介して肌弾力の低下が引き起こされる。よって,精神的なストレスを緩和することは肌の弾力性を改善することに繋がると考えられる。
GABAの機能性については精神的ストレスの軽減作用もいくつか報告されていることから,GABAの摂取はストレスの軽減による肌の弾力性改善作用があると考えられた。しかしながら,健康な成人を対象としたGABAの肌の弾力性改善作用を検証したシスティマティックレビューは多くなかったことから,本研究レビューを実施した。
4. レビュー対象とした研究の特性
抽出された対象研究1件は,別紙様式(V)-7 に示したように以下の特徴があった。GABAの経口摂取に関して継続摂取試験について報告されていた。対象者を肌荒れを自覚している30~50歳の成人女性として,プラセボ(澱粉)または試験品(GABA100 mg/日)を8週間摂取させていた。解析の結果,GABAの摂取によって,肌弾力の指標である「総粘弾性(R2)」,「正味の弾性(R5)」および「戻り率(R7)」がプラセボに対して有意に高い値を示していた。また,本試験は「ヘルシンキ宣言に準拠した」と明記されていた。
5. 主な結果
対象となった研究は1件で,肌荒れを自覚している30~50歳の成人女性がGABAを1日あたり100 mg摂取しており,肌の弾力性に関して肯定的な報告であった。本研究レビューの結果から,GABAの1日あたりの有効な摂取量は,100 mgであると判断した。
6. 科学的根拠の質
本研究は以下の限界を有する。
①公表バイアスは検出されず,いずれもプラセボ対照RCTではあったが,利益相反も存在するため,バイアスの混入は否定できない。
②安全性については,サンプルサイズ,期間ともに十分とは言えないので,GABAの安全性については別の切り口での評価が必要である。
③評価対象論文数は1報と少ないことから,今後更なる有効性の検証が必要である。 |