■DHA・EPA【認知機能の一部】
【標題】DHA・EPAを用いた健常人に対する記憶力の維持に関する研究レビュー
【目的】健常人に対して、DHA・EPAを含んだ食品を摂取することにより、記憶力を維持する作用がみられるか検証しました。
【背景】高齢化が急速に進む現在の日本において、加齢に伴う認知機能の低下は大きな問題となっています。記憶力の低下には、特に食生活の面からは栄養成分の摂取が影響していると言われています。魚に含まれる成分であるDHA・EPAの摂取は記憶力の維持に有効ではないかと報告されています。
【レビュー対象とした研究の特性】疾病に罹患していない40歳以上の健常人(認知症ではないとされている「軽度認知障害」の人も含みます。)を対象としてDHA・EPAの記憶力に関する有効性評価を行った研究を調査しました。さらに、対象者が日本人のみの場合についても調査しました。
【主な結果】データベース検索により、1,318報の文献が抽出され、あらかじめ決めてあった基準を確認したところ、12報が採用文献となりました。
記憶力に関する指標を調べたところ、文献8報で記憶力を維持する作用があることが報告されていました。なお、日本人のみを対象とした文献の場合にも、記憶力を維持する作用があると報告されていました。
以上より、DHA・EPAを1日当たり434mg以上摂取することにより、中高年の方の加齢に伴い低下する、認知機能の一部である記憶力の維持が期待できると判断しました。
本品はDHA・EPAを605mg含んでおり、上記のとおり記憶力を維持する作用が期待できるものと判断しました。
【科学的根拠の質】本研究レビューの限界として、メタアナリシス(複数の研究の結果を統合する統計解析)による検証がされていないことが挙げられます。しかし、複数の研究報告で認知機能の一部である記憶力を維持する作用が支持されていることから、科学的根拠は十分であると判断しました。
■DHA・EPA【中性脂肪】
【標題】DHA・EPAによる血中中性脂肪値(以下、中性脂肪値)の低下に関する研究レビュー
【目的】疾病に罹患していない健常成人および中性脂肪値がやや高めの者がDHA・EPAの摂取により、中性脂肪値が低下するかを検証しました。
【背景】DHA・EPAは魚介類に多く含まれており、日本人にとっては長い食経験のある成分です。近年、魚介類を食べる量の減少とともに、DHA・EPAの摂取量が減っていると考えられています。
【レビュー対象とした研究の特性】疾病に罹患していない健常成人および中性脂肪値がやや高めの者を対象として、DHA・EPAの有効性を検討している試験報告を調べました。さらに、疾病に罹患していない者のみに限定した場合や、対象者が日本人のみの場合についても調べました。
【主な結果】データベース検索により701報の文献が抽出され、除外基準に抵触するか確認したところ12報が採用文献となりました。12報のうち10報でDHA・EPAの経口摂取により中性脂肪値の低下機能の有効性が報告されていました。なお12報のうち、疾病に罹患していない者のみを対象とした文献は6報あり、メタアナリシス(複数の研究の結果を統合する統計解析)により解析した結果、DHA・EPAの摂取が有効であることが確認されました。有効性を肯定する報告から、DHA・EPAの摂取量の総量として1日当たり182㎎~5,960㎎を摂取することによって、中性脂肪値が低下することが期待できるものと判断しました。本品は1日当たりの摂取目安量(1本)中にDHA・EPAを605mg含んでおり、中性脂肪値低下機能が期待できると判断しました。
【科学的根拠の質】本研究レビューの限界は、英語と日本語のみを検索のキーワードとしたため、他の言語で書かれている文献が調査されておりません。しかし、複数の研究報告およびメタアナリシスでDHA・EPAの摂取により中性脂肪値が低下するということが支持されているので、科学的根拠は十分であると判断しました。
■GABA
【標題】機能性関与成分GABAの血圧に対する影響に関する研究レビュー
【目的】健常成人がGABAを摂取することによって、プラセボを摂取する場合と比べて、正常血圧者、正常高値血圧者、軽症高血圧者がGABA含有食品を摂取した場合とGABA非含有食品を摂取した場合で、血圧への影響に違いがあるかどうかを検証することを目的としました。
【背景】GABAは自然界に広く存在しており、通常の食生活で自然に摂取されているアミノ酸で、血圧降下作用や精神安定作用などが知られています。血圧に懸念がある場合、生活習慣の見直しと同時に、積極的なGABAの摂取により血圧を管理することも重要な一手段と思われ、血圧に関するGABAの有用性を網羅的な文献調査と研究レビューを実施することにしました。
【レビュー対象とした研究の特性】日本語と英語の3種のデータベースを用いて検索後94報の文献を抽出し、事前に設定された基準に基づいて選択した結果、最終的に9報が採用されました。採用された文献はいずれも査読付き論文で、日本人を対象としていました。
【主な結果】本研究レビューの結果より、GABA 20~80mg、12週間の摂取によって血圧が高めの方の血圧を下げる機能に関する機能性が確認されました。軽症高血圧者を除いた健常人のみで評価した場合では、正常高値血圧者に対してGABAの血圧低下作用が認められました。正常血圧者に対しては、GABAは血圧を下げることがなく、正常な血圧のままでした。以上よりGABAは血圧が高めの方に対して血圧を低下させる機能があり、正常血圧者に対しては影響を与えず、正常な血圧を維持すると結論付けられました。
【科学的根拠の質】文献の検索を英語と日本語のデータベースに絞ったことから、他言語での論文の収集の網羅性に問題や出版バイアスの存在が否定できない問題が残っていると考えています。 |