(1)食後血糖値の上昇抑制
【標題】
「TURF FIBER(ターフファイバー)」に含まれる機能性関与成分である難消化性デキストリン(食物繊維)による食後の血糖値の上昇抑制に関する研究レビュー(定性的システマティックレビュー(SR))
【目的】
難消化性デキストリンの食後の血糖値上昇抑制における有効性を明らかにするため、健常者を対象に、難消化性デキストリンの単回経口摂取がプラセボの摂取と比較して食後の血糖値上昇が抑制するかを検証した。
【背景】
平成28年国民健康・栄養調査において、日本での糖尿病有病者および糖尿病予備群はそれぞれ約1,000万人と推計されている。糖尿病は、網膜症・腎症・神経障害等の合併症の原因となり、脳卒中、虚血性心疾患等の心血管疾患にも繋がる。これらの合併症は患者のQuality of Life(QOL)を著しく低下させる重大な問題と考えられるため、その予防は非常に重要である。
難消化性デキストリンは、血糖値上昇抑制作用、コレステロール・中性脂肪低下作用、整腸作用等の様々な生理作用が報告されている。血糖値の上昇を抑制する機能があると考えられるが、健常者に絞って評価した研究レビューは少ない。そこで、健常者を対象に、難消化性デキストリンの単回経口摂取による食後の血糖値上昇抑制作用について、システマティックレビューの手法を用いた解析を実施した。
【レビュー対象とした研究の特性】
成人健常者を対象に難消化性デキストリンを用いて食後血糖値の上昇抑制について検討した、RCT(ランダム化比較試験)を抽出した。
最終検索日は2020年11月5日であり、同日までに公開されている報告13報をレビューの対象とした。
【主な結果】
全ての採用論文は、食後の血糖値の上昇を抑制するかについて肯定的な結果であり、その有効性が確認された。また、難消化性デキストリン(食物繊維)の一日当たりの有効摂取量は、4.0~8.6 g であった。そこで、今回の研究レビュー結果では、難消化性デキストリン(食物繊維)を一日当たり 4 g 以上摂取する事が望ましいと判断した。
【科学的根拠の質】
それぞれのバイアスリスクより研究の質を総合的に評価したところ、バイアスリスクは低いと判断した。
本研究における結果の限界・問題点としては、定性的レビューのみ実施しており、メタアナリシスによる検証がなされていない。
(2)食後の血中中性脂肪値の上昇抑制
【標題】
「TURF FIBER(ターフファイバー)」に含まれる機能性関与成分である難消化性デキストリン(食物繊維)による食後の血中中性脂肪値の上昇抑制に関する研究レビュー(定性的システマティックレビュー(SR))
【目的】
難消化性デキストリンの食後の血中中性脂肪値の上昇抑制における有効性を明らかにするため、健常者を対象に、難消化性デキストリンの単回経口摂取がプラセボの摂取と比較して食後の血中中性脂肪値の上昇が抑制するかを検証した。
【背景】
食後高脂血症とは、食後の血中中性脂肪の増え方が著しく、時間が経過しても十分に下がらない状態のことを指す。食後高脂血症は、動脈硬化の原因の一つとして注目されている。動脈硬化は、日本人の死因の第 2 位である心疾患の原因となるため、その予防は非常に重要である。
難消化性デキストリンは、血糖値上昇抑制作用、コレステロール・中性脂肪低下作用、整腸作用等の様々な生理作用が報告されている。難消化性デキストリン(食物繊維)には、血中中性脂肪値の上昇を抑制する機能があると考えられるが、健常者に絞って評価した研究レビューは少ない。そこで我々は、健常者を対象に、難消化性デキストリン(食物繊維)の単回経口摂取による食後の血中中性脂肪値上昇抑制作用について、システマティックレビューの手法を用いた解析を実施した。
【レビュー対象とした研究の特性】
成人健常者を対象に難消化性デキストリンを用いて食後血中中性脂肪値の上昇抑制について検討した、RCT(ランダム化比較試験)を抽出した。
最終検索日は2020年11月5日であり、同日までに公開されている報告11報をレビューの対象とした。
【主な結果】
ランダム化比較試験で実施された論文を 11 報採用した。採用論文は、食後の血中中性脂肪値の上昇を抑制するかについて、肯定的な結果であり、その有効性が確認された。また、難消化性デキストリン(食物繊維)の一日当たりの有効摂取量は、4.475~8.95 g であった。そこで、今回の研究レビュー結果では、難消化性デキストリン(食物繊維)を一日当たり 4.5 g 以上摂取する事が望ましいと判断した。
【科学的根拠の質】
それぞれのバイアスリスクより研究の質を総合的に評価したところ、バイアスリスクは低いと判断した。
本研究における結果の限界・問題点としては、定性的レビューのみ実施しており、メタアナリシスによる検証がなされていない。 |