【サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン・サケ鼻軟骨由来Ⅱ型コラーゲン】
標題:サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン・サケ鼻軟骨由来Ⅱ型コラーゲンの膝関節の機能に関する研究レビュー
目的:サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン・サケ鼻軟骨由来Ⅱ型コラーゲンの膝関節の機能に対する機能性を評価すること
背景:サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン又はサケ鼻軟骨由来Ⅱ型コラーゲンを含む食品の膝関節の機能への有効性に関する研究は多く報告されている。しかし、その両方を含む食品に関する定性的又は定量的研究レビューの報告はなかった。そこで本研究レビューではサケ鼻軟骨由来の2成分を同時に含む食品について「対象者:健常成人、介入:プロテオグリカン複合体80を40mg(サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン16mg・サケ鼻軟骨由来Ⅱ型コラーゲン16mg)を含む食品の経口摂取、比較:プラセボ食品の経口摂取、アウトカム:膝関節に対する有効性、研究デザイン:ランダム化比較試験(RCT)」を設定し、その機能性の検証を目的とした。
レビュー対象とした研究の特性:2018年12月10日以前にデータベースに公開された国内外の健康な成人男女を対象にしたRCTを検索し、疾病に罹患していない健常者(日本人60名)を対象とした文献1報が得られた。当該文献の対象者はKL分類グレードⅡ以下の方であるが、文献中に「変形性膝関節症ではない健常者(KL分類グレードⅠ以下)」と健常者の定義が明記されており、本研究レビューではKL分類グレードⅠ以下の方を対象とした。また当該文献に係る研究費用は原料供給者が提供し、文献の著者にその関係者を含むが、試験は第三者機関で適切に実施されていた。
主な結果: 学術的に確立された膝に関する4つの評価(医師又はアンケートによる評価(JOA、JKOM、KSS、VAS))が行われ、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン16mg/日、サケ鼻軟骨由来Ⅱ型コラーゲン16 mg/日を摂取した群がプラセボ食品を摂取した群と比較してJOA(移動能力に重点を置いた試験で4項目中3項目(歩行能力、階段昇降能力、可動域)が膝の曲げ伸ばしを伴う評価)の合計点で改善が示されている。さらにKSSにおいても「現在の満足度」に関する項目で改善が示されている。
科学的根拠の質:研究の限界(不十分な点)として「被験者が限定的(40歳以上70歳未満の膝関節に痛み・違和感のある男女)」、「評価の多重性(類似項目の繰返し評価)が考慮されていない」、「評価項目が本来健常者を対象とした方法では無い」、「対象部位が膝関節のみである」、「副次アウトカムの結果に信頼区間の広がりが見られる」、「採用文献が1報しか存在せず、結果に一貫性があるか評価できない及び否定的な結果が公表されていない可能性が否定できない」があるが、結論に影響する大きな問題はないと判断した。以上より当該機能性に関する科学的根拠の質は十分であると判断した。ただし、上記限界も存在することから今後より質の高い研究結果が報告されることが望まれる。
【N-アセチルグルコサミン】
標題:最終製品「潤々楽々DX(ディーエックス)」に含まれる機能性関与成分「N-アセチルグルコサミン」の関節機能に関する研究レビュー
目的:N-アセチルグルコサミンの摂取が関節機能に及ぼす影響を評価すること
背景:N-アセチルグルコサミンはヒアルロン酸等のグリコサミノグリカンの構成成分であり、関節の構造的なマトリックスの主な構成要素となる。細胞を用いた(in vitro)研究ではN-アセチルグルコサミンはグリコサミノグリカンの産生、コラーゲン及びヒアルロン酸の増加作用を有することが報告されている。またヒト試験においては変形性膝関節症の患者がN-アセチルグルコサミン500㎎/日又は1000mg/日入りの飲料を8週間摂取した結果、膝疾患治療判定基準の成績が向上し、疼痛・歩行能と疼痛・階段昇降能の2項目において有意な改善が認められたことが報告されている。これよりN-アセチルグルコサミンはヒトの膝関節機能の改善に役立つ可能性が考えられる。
レビュー対象とした研究の特性:レビューワーが、以下の条件を満たす文献を検索し機能性を評価した。
文献の検索日:2020年11月30日
検索対象期間:検索日以前に公開された文献
対象集団の特性:健常な成人男女
データベース:PubMed、J-DreamⅢ
研究デザイン:プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験(RCT)
利益相反情報:プロテインケミカル(株)で研究レビューを実施
主な結果:最終的に1報の文献が研究レビューの対象として採択された。対象文献は膝に違和感がある者、またはKL分類において健常者にあたるKL値0又はⅠと診断されたヒトを対象としたRCTであった。被験者が試験食品(N-アセチルグルコサミン300mg/日入りハードカプセル)またはプラセボ品を12週間経口摂取した結果、試験食品摂取群においてJOA評価(疼痛・歩行能力と疼痛・階段昇降能力の2項目)の有意な改善が認められた。これよりN-アセチルグルコサミンを300mg/日以上継続摂取することはグリコサミノグリカン産生、コラーゲンおよびヒアルロン酸の増加、サイトカイン産生抑制等の作用を通じてヒトの膝関節機能の改善に役立つと考えられた。
科学的根拠の質:本研究レビューで選択された文献の対象者、条件、評価項目はレビューの目的に設定した対象者、条件、評価項目と一致した。しかし、採択された文献数が1報と少ないことから出版バイアスの可能性を否定できないと判断した。今後も定期的に情報収集を行い検証する必要があると考える。
【N-アセチルグルコサミン】
標題:最終製品「潤々楽々DX(ディーエックス)」に含まれる機能性関与成分N-アセチルグルコサミンの経口摂取による肌のうるおいに役立つ作用に関する研究レビュー
目的:N-アセチルグルコサミンの肌のうるおいに対する機能性を評価すること
背景:N-アセチルグルコサミンを含む食品の肌のうるおいに役立つ機能に関する研究は多く報告されているが、定性的又は定量的研究レビューの報告はなかった。そこで、本研究レビューではN-アセチルグルコサミンを含む食品について「対象者:肌の乾燥が気になる方(未成年者、妊産婦、授乳婦は除く)、介入:N-アセチルグルコサミンを含む食品の経口摂取、比較:プラセボ食品の経口摂取、アウトカム:肌のうるおいに役立つ機能(角質水分量)、研究デザイン:ランダム化比較試験(RCT)」を設定し、その機能性を検証することを目的とした。
レビュー対象とした研究の特性:NPO法人日本抗加齢協会に所属する専門知識を有する医師若しくは学識経験者により検索日(2018年9月28日)以前にデータベースに公開された国内外の健康な成人男女を対象にしたRCTを検索し、日本人を対象とした文献1報が得られた。当該文献においてランダム化や解析者に対する割付の隠蔽など十分な記載が無く、執筆者に原材料製造企業の社員が含まれていることから選択バイアス・症例減少バイアス・出版バイアスは否定できない。
主な結果:N-アセチルグルコサミン500mg/日を含む飲料を8週間摂取した群がプラセボ食品を摂取した群と比較して角層水分量で有意な増加が認められた。また顔面写真の臨床的評価にてN-アセチルグルコサミンを摂取した群で皮膚の乾燥所見の改善も確認された。
以上より、肌の乾燥が気になる方がN-アセチルグルコサミンを500mg/日継続的に摂取することは角層水分量が増加し、肌のうるおいに役立つと判断した。
科学的根拠の質:本研究レビューの限界として、UMIN-CTRの活用が進んでおらず、文献執筆者に原材料製造企業の社員が含まれ、出版バイアスの可能性は否定できないと判断した。更に今回は主要なデータベースを用いた検索を行ったが、その他データベース等を用いることで更に研究が確認される可能性もある。今後、質の高いRCTが更に蓄積されることが望まれる。また今後の研究によっては、研究レビュー結果が変わる可能性があり、継続し調査が必要である。
また本研究はN-アセチルグルコサミンを飲料形態にて500mg/日摂取をしているが、N-アセチルグルコサミンは特有の構造を有する単一物質且つ安定な成分であり、本品の剤型を考慮しても本研究を本品の機能性として考察することは差支えないと判断した。 |