①眠りの質への効果について
ア 標題
「5-アミノレブリン酸リン酸塩による睡眠の質への効果について」
イ 目的
睡眠に不満を持つ男女に当該製品(機能性関与成分5-アミノレブリン酸リン酸塩を50mg/日)を摂取したグループと、プラセボを摂取したグループを比較し、睡眠の質が改善するか評価を行った。
ウ 背景
以前の研究で、5-アミノレブリン酸リン酸塩を12週間50mg/日摂取した被験者に対し、健康に関するアンケートを実施したところ、一部の被験者において睡眠に関する改善がみられ、また、摂取を止めると元に戻った。これにより5-アミノレブリン酸リン酸塩の摂取により睡眠を改善できる可能性が示唆された為、臨床試験を実施して検証を行うこととした。
エ 方法
睡眠に不満を持つ40~70代の健康な男女40名(試験食と対照食:各20名)を対象者とし、試験食には5-アミノレブリン酸リン酸塩を1日あたり50mg配合した。研究デザインはプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間試験とした。摂取期間は6週間であり、摂取前、3週間後、6週間後の睡眠の質改善度合いを測定し、摂取を中止してから4週間後(摂取から10週間後)にも測定した。
なお、本臨床試験を実施したのはハワイ大学であり、関係会社であるSBIファーマ株式会社が試験食と対照食を提供して実施をサポートした。特記すべき利害関係はない。
オ 主な結果
40人の参加者のうち、対照食を摂取した方は20名、平均年齢は54.7歳(70%が女性)、試験食を摂取した方は20名、平均年齢は56.3歳(65%が女性)であった。対照食を摂取した群は摂取期間を通じて睡眠の質改善度スコアに変化はなく、摂取中止4週間後にも変化は見られなかった。一方、試験食を摂取した群は6週間後に有意に睡眠の質スコアが改善し、摂取中止4週間後には摂取前のスコアに戻る傾向にあった。このことから、5-アミノレブリン酸リン酸塩は睡眠に悩みを持つ人に対して眠りの質を改善する作用があると考えられる。
カ 科学的根拠の質
本研究は、無作為化二重盲検プラセボ対照試験という、可能な限りバイアス(被験者選択上の偏りや、被験者、研究者の思い込み等による影響)を排除したデザインとなっており、信頼性は高いと判断できる。また、海外で実施された試験であるがアジア人参加者の割合は試験食群で50%、プラセボ群で45%含まれており、日本人においても十分に効果が期待できると判断できる。本試験の限界としては、睡眠に不満を持つ全ての要因についての効果は確認できていない。ただし、睡眠に悩む方における主観的評価の改善については、十分に効果が期待できることが示唆された。
②気分やストレスへの効果について
ア 標題
「5-アミノレブリン酸リン酸塩による気分やストレスへの効果について」
イ 目的
健常な男女を対象に、当該製品(機能性関与成分5-アミノレブリン酸リン酸塩を50mg/日)を摂取したグループと、プラセボ食を摂取したグループを比較し、一時的な気分やストレスへの影響について評価を行った。
ウ 背景
5-アミノレブリン酸リン酸塩の摂取により睡眠の質が改善されることが報告されており、その作用機序として脳内でのセロトニン濃度の上昇効果が挙げられる。セロトニンは神経伝達物質として、気分や感情、精神の安定に関わっており、心のバランスを保つのに重要な働きを有していることから、5-アミノレブリン酸リン酸塩の摂取により、気分の安定や改善につながることが期待できる。
エ 方法
40~70代の健常な男女154名を対象とし、試験食に5-アミノレブリン酸リン酸塩を1日あたり15mg摂取する群、50mg摂取する群、プラセボ群の3群に分けた。研究デザインはプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間試験とした。摂取期間は12週間である。摂取前と摂取12週間後の一時的な心理的状態の変化をPsychological Depressive Symptoms(PDS)とPerceived Stress Scale(PSS)の各問診票を用いて評価した。
オ 主な結果
PDSではプラセボ群と比較して「Lonely」と「Effort」の評価指標に有意差が認められた。PSSではプラセボ群と比較して「Cope」の評価指標に有意差が認められた。
「Lonely」に該当する設問文は「I felt lonely.」である。満たされない気持ちや孤独で心細い気持ちなどの落ち込んだ状態や気分の度合いが改善されたことを示している。「Effort」に該当する設問文は「I felt that everything I did was an effort.」である。日常的な作業に対しても労力を感じ、面倒に思うような落ち込んだ状態や気分の度合いを示している。「Cope」に該当する設問文は「In the last month, how often have you found that you could not cope with all the things that you had to do?」である。やらなければいけない事に応じきれていないと感じる頻度を問う設問であり、事態に対処できていないと感じる落ち込んだ状態や気分の度合いが改善されたを示している。
以上のように、5-アミノレブリン酸リン酸塩50mg摂取によって、満たされない気持ちや孤独で心細い気持ちを抱え、日常的な作業を面倒と感じ、やるべき物事に対処できていないと感じる一時的な心理的状態が改善されることが示された。
カ 科学的根拠の質
本研究は、無作為化二重盲検プラセボ対照試験という、可能な限りバイアス(被験者選択上の偏りや、被験者、研究者の思い込み等による影響)を排除したデザインとなっており、信頼性は高いと判断できる。 |