【食後血中中性脂肪の上昇抑制効果について】
1.標題
ポリデキストロースの摂取による食後血中中性脂肪の上昇抑制効果の評価
2.目的
空腹時血中中性脂肪が正常及びやや高めの成人に、ポリデキストロースを摂取させると、プラセボ摂取と比較して、食後血中中性脂肪の上昇が抑制されるか? についてシステマティックレビューにより評価した。
3.背景
ポリデキストロースには食後血中中性脂肪の上昇抑制効果があることが報告されているが、当該効果に関するシステマティックレビューは確認できなかった。
4.レビュー対象とした研究の特性
2017 年3 月16 日以前に登録されていた、空腹時血中中性脂肪が正常及びやや高めの成人を対象にポリデキストロースの食後中性脂肪の上昇抑制効果を評価したヒト試験の文献を、データベースから2報抽出した。
5.主な結果
文献2報の研究はいずれも単回摂取試験で、被験者数は19名~90名、ポリデキストロースの摂取量は食物繊維として5 g/回~約10 g/回であった。いずれの文献においても、ポリデキストロースによる食後血中中性脂肪の上昇抑制効果が報告されていた。また、2報中1報は、被験者に空腹時血中中性脂肪値がやや高めの成人を含んでいたため、当該研究について正常域者のみを対象とした追加解析を行い評価した。その結果、正常域者のみの解析においても食後血中中性脂肪の上昇抑制効果について肯定的な結果であった。
6.科学的根拠の質
非一貫性が中程度認められたが、バイアス・リスク、非直接性及び不精確に問題は認められなかった。また、研究の限界として、文献検索に国内外の主要な文献データベースを用いており、公開されている研究はほぼ網羅できていると考えられるものの、採用文献が少なく、UMIN-CTRの活用が進んでいないこと等から、出版バイアスが存在する可能性が否定できないと考えられた。
【食後血糖値の上昇抑制効果について】
1.標題
ポリデキストロースの摂取による食後血糖値の上昇抑制効果の評価
2.目的
健常成人に、ポリデキストロースを摂取させると、プラセボなどのコントロール摂取と比較して、食後の血糖値上昇が抑制されるか? についてシステマティックレビューにより評価した。
3.背景
ポリデキストロースには食後の血糖値上昇抑制効果があることが報告されているが、当該効果に関して健常者のみを対象としたシステマティックレビューは確認できなかった。
4.レビュー対象とした研究の特性
2017 年3 月17日以前に登録されていた、健常成人を対象にポリデキストロースの食後血糖値の上昇抑制効果を評価したヒト試験の文献を、データベースから2報抽出した。
5.主な結果
採用文献2報中の3研究をレビューの対象とした。いずれも単回摂取試験で、被験者数は10名~50名、ポリデキストロースの摂取量は食物繊維として5 g(食物繊維として)/回~14 g/回であった。いずれの文献においても、ポリデキストロースによる食後血糖値の上昇抑制効果が報告されていた。
6.科学的根拠の質
バイアス・リスク及び非一貫性が中程度認められたが、非直接性及び不精確について問題は認められなかった。また、研究の限界として、文献検索に国内外の主要な文献データベースを用いており、公開されている研究はほぼ網羅できていると考えられるものの、採用文献が少なく、UMIN-CTRの活用が進んでいないこと等から、出版バイアスが存在する可能性が否定できないと考えられた。
【便通改善効果について】
1.標題
ポリデキストロースの摂取による便通改善効果の評価
2.目的
健常成人に、ポリデキストロースを摂取させると、プラセボなどのコントロール摂取と比較して、便通改善効果が得られるか? についてシステマティックレビューにより評価した。
3.背景
ポリデキストロースについて便秘症を含む対象者に対する便秘改善効果に関するシステマティックレビューは報告されているが、健常成人を対象としたシステマティックレビューは確認できなかった。
4.レビュー対象とした研究の特性
2016年8月30日以前に登録されていた、健常成人を対象にポリデキストロースの便通改善効果を評価したヒト試験の文献を、データベースから4報抽出した。
5.主な結果
採用文献4報中の5研究をレビューの対象とした。摂取期間は7日間~21日間、被験者数は8名~45名、ポリデキストロースの摂取量は7 g/日~21 g/日であった。本品の表示しようとする機能性「お腹の調子を整える」に関連する3つの項目、「排便回数」、「糞便重量の増加」及び「便性状(便の軟らかさ)の改善」のそれぞれについて採用研究の結果をまとめ評価したところ排便回数については、排便回数が6回/7日以下の被験者を対象とした層別解析が行われていた1研究で有意な改善効果が報告されていた。糞便重量については、評価がなされていた3研究中2研究で有意な改善効果が報告されていた。便性状(便のやわらかさ)については、客観的指標で評価していた1研究、及び主観的指標で評価していた3研究中2研究で有意な改善効果が報告されていた。
6.科学的根拠の質
糞便重量及び便性状(便の軟らかさ)についての、バイアス・リスクと非一貫性が中程度認められたが、非直接性及び不精確に問題は認められなかった。また、研究の限界として、文献検索に国内外の主要な文献データベースを用いており、公開されている研究はほぼ網羅できていると考えられるものの、採用文献が少なく、UMIN-CTRの活用が進んでいないこと等から、出版バイアスが存在する可能性が否定できないと考えられた。また、排便化椅子が6回/7日を超える方の排便回数への影響はないと考えられた。 |