1.「茶カテキンには、肥満気味の方の体脂肪を減らす機能があることが報告されています」の機能性に関する評価
(ア)標題
機能性関与成分「茶カテキン」による体脂肪への影響の定量的研究レビュー(メタアナリシス※)
(イ)目的
疾病に罹患していない方(未成年者、妊産婦、授乳婦は除く、肥満1度含む)が、茶カテキンを含む飲料を継続摂取した時と、茶カテキンを含まない又は通常の緑茶程度の茶カテキンを含む対照飲料を継続摂取した時とを比較して、茶カテキンの摂取が、体脂肪に与える影響を検証した。
(ウ)背景
茶カテキンの摂取による体脂肪の低減効果が報告されている。本研究レビューは、茶カテキンの摂取の体脂肪への影響を検証するため、定量的研究レビュー(メタアナリシス)を実施した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
2019年3月15日に3つのデータベースの開設時から検索日までの情報を対象とし、査読付きの茶カテキンを含む飲料の摂取と対照飲料と比較した試験を検索した。検索の結果、疾病に罹患していない日本人成人を対象とした7報のランダム化比較試験(※※)を採用し、体脂肪への影響をメタアナリシスで検証した。採用文献7報は、全て12週間試験飲料を摂取した試験であった。採用文献中の1報は、18歳と19歳の対象者を含む可能性があったが、体脂肪に与える影響については、医学的にも栄養学的にも成人と同等であり、本検証に含まれていても科学的に妥当と考えられた。また、倫理的観点からも問題がないと考えられることから、採用文献とした。なお、採用文献7報中5報の著者に試験飲料の製造元社員が含まれていた。
(オ)主な結果
茶カテキン539.7 mg/日以上の12週間摂取は、体脂肪量と強く相関する腹部内臓脂肪面積と腹部皮下脂肪面積を対照飲料の摂取と比較して有意に減少させた。このことから、茶カテキン539.7 mg/日以上の12週間の継続摂取は、疾病に罹患していない日本人成人の体脂肪を低減させる効果を持つことが示された。以上より、茶カテキンを一日摂取目安量当たり540 mg含む本品は、体脂肪を低減させる効果を持つと考えられた。
(カ)科学的根拠の質
採用文献が7報であり、メタアナリシスで検証していることから、科学的根拠の質は担保されていると考えられる。また、採用文献は全て日本人成人を対象とした試験であるため、茶カテキンは日本人において体脂肪を低減させる機能性を持つと考えられる。なお、採用文献の食品性状はすべて飲料であるため、サプリメント等の食品性状での機能性は不明である。
※メタアナリシス:複数の研究の結果を統計学的に統合して効果を評価する方法。ランダム化比較試験のメタアナリシスは、最も質の高い根拠とされている。
※※ランダム化比較試験:評価の偏りを避けて客観的に効果を評価できる試験方法で、信頼性の高い結果が得られるとされている試験方法。
2.「クエン酸には、日常生活の疲労感や運動により生じる一時的な疲労感を軽減する機能があることが報告されています」の機能性に関する評価
(ア)標題
機能性関与成分「クエン酸」による疲労感への影響の定性的研究レビュー
(イ)目的
疾病に罹患していない日本人(未成年者、妊産婦、授乳婦は除く、肥満1度含む)が、クエン酸を含む食品を経口摂取した時と、対照食品(クエン酸を含まない)を摂取した時を比較して、クエン酸の摂取が、疲労感に与える影響を検証した。
(ウ)背景
クエン酸の摂取による疲労感の軽減効果が報告されている。本研究レビューは、クエン酸摂取の疲労感への影響を検証するため、定性的研究レビューを実施した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
2019年3月26日に3つのデータベースの開設時から検索日までの情報を対象とし、クエン酸を含む食品の経口摂取と対照食品(クエン酸を含まない)の経口摂取を比較した試験を検索した。検索の結果、4報の文献を採用した。採用文献4報は、疾病に罹患していない日本人を対象とし、飲料形態もしくはカプセル形態のクエン酸を含む食品、または対照食品(クエン酸を含まない)を摂取させ、疲労感を評価する試験であった。文献はいずれも査読付き論文であった。
(オ)主な結果
採用文献4報のうち、2報ではクエン酸2700 mg/日の摂取が日常生活の疲労感に与える影響を、2報ではクエン酸1000 mg/日もしくは2700 mg/日の摂取が運動負荷後の疲労感に与える影響を評価していた。4報はいずれもクエン酸の疲労感軽減効果について肯定的な結果であり、うち3報で対照との有意な群間差が認められたことから、クエン酸の疲労感軽減効果は科学的根拠を有すると考えられた。
(カ)科学的根拠の質
バイアス・リスクは中程度で、出版バイアスも否定できないが、非直接性、不精確性、非一貫性は低かったことから、科学的根拠の質は担保されていると考えられる。採用文献4報すべてが日本人成人を対象とした試験であり、クエン酸の疲労感軽減効果に対する肯定的な結果が得られていることから、クエン酸は日本人において疲労感を軽減させる機能性を持つと考えられた。 |