安全性 |
届出商品『サトウグルコサミン』は、1日摂取目安量(9粒)当たり機能性関与成分のグルコサミン塩酸塩を2,000 mg含有します。
<飲食実績の評価>
グルコサミンは、一般的にグリコサミノグリカンの形で魚や肉などの食品の成分としても含まれ、日本に限らず諸外国でも幅広い世代で食されています。届出商品のグルコサミン塩酸塩は、甲陽ケミカル株式会社で製造されたグルコサミン塩酸塩であり、食品の原材料に使用するグルコサミン塩酸塩を1998年の発売から累積で5,000トン以上製造販売していますが、この期間に重篤な健康被害の報告はありません。また、類似する食品が、通信販売や店舗販売の商品として一般市場で多数販売されていますが、これまでに重篤な健康被害情報は公になっていません。しかし、不明な点も多いことから、飲食実績は不十分と判断しました。
<既存情報を用いた評価>
データベース及び文献検索を実施したところ、グルコサミン塩酸塩摂取で軽い胃腸症状が生じる可能性があること、妊娠中・授乳中の摂取は避けること、疾患を有する患者が摂取する場合は注意が必要であることが報告されていますが、健常者で明らかにグルコサミン塩酸塩が原因と特定された重篤な危険情報はないこと、及び届出商品の機能性関与成分グルコサミン塩酸塩の1日当たりの摂取目安量2,000 mgの安全性情報についても特に問題はないことから安全な素材と評価しました。
<医薬品との相互作用に関する評価>
データベース及び文献検索を実施したところ、グルコサミン塩酸塩とクマリン系抗凝固剤(特にワルファリン)の相互作用については、抗凝固作用が増幅するリスクが報告されていますが、届出商品の対象者は健常者であり、グルコサミン塩酸塩の1日当たりの摂取目安量2,000 mgを守り、過剰摂取に留意することで相互作用を起こす可能性は低いと考えます。
以上から、機能性関与成分のグルコサミン塩酸塩は、適切に使用することにより、安全性に特段の問題はなく、届出商品は、機能性表示食品として適切と判断しました。 |
機能性 |
(ア)標題
健常者の膝関節機能の改善に対するグルコサミン塩酸塩の有用性について
(イ)目的
健常者を対象とした無作為化比較試験において、グルコサミン塩酸塩の摂取により膝関節機能が改善するかを検証する。
(ウ)背景
グルコサミン塩酸塩の摂取が膝関節機能の改善のため、どのような影響を与えているか明らかにする必要があった。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
事前に作成した手順に基づいて研究レビューを実施した。検索データベースのPubMed及び医中誌を対象に文献検索を行い、成人健常者に対するグルコサミン塩酸塩摂取により膝関節機能を評価した無作為化比較試験の文献を収集した。変形性関節症等患者を対象にした文献、評価指標や対象部位が目的と異なる文献、動物実験やin vitro試験の文献は除外し、最終的に採用した文献は1報で、概要は次の通りである。
医師が治療を必要としないと判断した膝の痛みを経験したことのある成人健常者46名を2群に分け、グルコサミン塩酸塩2,000mg(グルコサミン群:24名)又は機能性関与成分を含まないプラセボ(プラセボ群:22名)を3ヶ月間摂取させた。その結果、8週目及び12週目のKOOSで膝関連QOLスコアがグルコサミン群においてプラセボ群よりも有意に改善した。
(オ)主な結果
成人健常者にグルコサミン塩酸塩2,000 mgを継続的に摂取することにより、膝関連QOLスコアが有意に改善したことから、膝関節の動きの悩みを緩和すると考えられた。
(カ)科学的根拠の質
健常者における膝関節機能の改善を検証するため、膝機能関連スコアで評価を行った。被験者群は同一母集団より選抜しており、偏りの存在は非常に低い。本知見の一般化可能性は高く、グルコサミン塩酸塩の摂取が膝関連QOLスコアを改善したことから、膝関節の動きの悩みを緩和すると考えられた。本研究レビューに採用した文献は1報であったが、どの評価項目も参加者に対する改善効果としては重要度が高く、グルコサミン塩酸塩2,000mgの継続的な摂取は成人健常者の膝関節機能に有用な効果をもたらすと結論付けた。本文献の対象者はオーストラリア人であるが、生活レベル等は日本と同等であり、日本人に外挿可能と考えられる。
グルコサミン塩酸塩が膝関節の健康を気にする人々によって長く使用されてきた実績はあるものの、現段階では本研究レビューが研究の限界であり、今後はより多くの成人健常者に対しての機能評価が進むことが期待される。
(構造化抄録) |