ア.標題
①DHA、EPAの認知機能における記憶力に対する効果に関する研究レビュー(以下、記憶力の研 究レビュー)
②DHA、EPAの中性脂肪低下作用に関する研究レビュー(以下、中性脂肪の研究レビュー)
①記憶力の研究レビュー
イ.目的
誰に P ) :健常成人(軽度認知障害(認知症ではなく、基本的な日常生活は正常に行 え、疾病ではない)の者を含む。)
何をすると I ) :DHAもしくはEPAの経口摂取
何と比較して C ) :DHAもしくはEPAの介入なし
どうなるか O ) :認知機能における記憶力に対する効果が認められるか
ウ.背景
DHA、EPAの認知機能における記憶力に関する有効性については、個別の研究は実施されているものの、健常成人に着目して研究成果全体をまとめたレビューは限られている。そこで、本研究レビューを実施した。
エ.方法
検索にあたっては、ランダム化比較試験(研究の対象者をランダムに2つのグループに分け、一方には評価しようとするものを摂取させ、もう一方には対照となるものを摂取させて比較する臨床試験)であること、被験物がDHAもしくはEPAのみを用いた試験であること、健常成人を対象としたものであることを条件とした。2014年10月10日に実施。上記研究レビューは、届出者以外の第三者機関が実施した。
オ.主な結果
まず、DHA、EPAに関する論文を収集した。次に、ランダム化比較試験を行った論文に絞り込んだ。絞り込みで得られた17報を精査した結果、除外すべき理由があり除外した論文は10報、有効性の判断に用いた論文は7報であった。その7報のうち、有効性についての肯定論文は4報であった。有効性の肯定論文から、DHAとEPAの総量900mg以上/日摂取が、認知機能の一部である記憶力(数・ことば・図形などの情報を記憶し、思い出す力)の維持に有効であることが示された。
当該商品「サトウDHA&EPA(ディーエイチエーアンドイーピーエー)」は、1包当たりDHA 550mg、EPA 200mgを含むサプリメント形状の加工食品で、一日当たりの摂取目安量(2包)中にDHAとEPAが総量として1500mg含まれている。研究レビューの結果より、日常生活では、例えば、「電話番号を覚える」、「人の顔と名前を覚える」、「物を置いた場所を覚えておく」、「ニュースやその日の出来事を覚えておく」などの状況に役立つと想定され、日常生活の負担を軽減し、健康の維持・増進に寄与することが期待できる。したがって、認知機能の一部である記憶力(数・ことば・状況などの情報を記憶し、思い出す力)を維持する機能が期待できると判断した。
カ.科学的根拠の質
有効性が認められた4報については、エビデンスの強さが「B」、またアウトカムの重要性が「9」であった。したがって、科学的根拠の質は十分であると判断した。
②中性脂肪の研究レビュー
イ.目的
誰に P ) :健常成人(中性脂肪値が正常高値からやや高めの者を含む。)
何をすると I ) :DHAもしくはEPAの経口摂取
何と比較して C ) :DHAもしくはEPAの介入なし
どうなるか O ) :中性脂肪低下に対する効果が認められるか
ウ.背景
DHA、EPAは中性脂肪を低下させる効果が数多く報告されている。そこで、これまでの国内外の臨床試験の報告について精査し、その有効性を検証した。
エ.方法
検索にあたっては、ランダム化比較試験であること、被験物がDHAもしくはEPAを用いた試験であること、健常成人を対象としたものであることを条件とした。2014年10月10日に実施。上記研究レビューは、届出者以外の第三者機関が実施した。
オ.主な結果
まず、DHA、EPAに関する論文を収集した。次に、ランダム化比較試験を行った論文に絞り込んだ。DHAとEPAは同じ作用機序により中性脂肪を低下させ、またその効果についても同等であることが知られているため、有効効果量の算出にはDHAとEPAの総量を用いた。
絞り込みで得られた54報を精査した結果、除外すべき理由があり除外した論文は47報、有効性の判断に用いた論文は7報であった。その7報のうち、有効性についての肯定論文は5報であった。なお、7報のうち3報は、試験開始前の中性脂肪値が正常高値からやや高めの者を含んでいる恐れがあった。そこで、これら3報と、残り4報に分けて追加的解析を行った結果、それぞれ3報、2報がDHA、EPAの摂取による中性脂肪低下作用の有効性を認めていた。
有効性の肯定論文から、DHAとEPAの総量860mg以上/日摂取において、中性脂肪低下作用が示された。
当該商品「サトウDHA&EPA(ディーエイチエーアンドイーピーエー)」は、1包当たりDHA 550mg、EPA 200mgを含むサプリメント形状の加工食品で、一日当たりの摂取目安量(2包)中にDHAとEPAが総量として1500mg含まれている。したがって、研究レビューの結果より、健常成人において中性脂肪低下作用が期待できると判断した。
カ.科学的根拠の質
本研究レビューの限界は、健常成人を対象とした報告例が少ないことが挙げられる。しかし、非直接性・非一貫性・不精確性等についての定性的評価の結果、いずれも問題無く、エビデンスの強さが「A」、またアウトカムの重要性が「9」であった。したがって、科学的根拠の質は十分であると判断した。
(構造化抄録) |