はじめに
機能性表示食品をめぐる制度環境が、ここ数か月で大きく動いています。本記事では、2026年10月時点で確認できる一次情報(消費者庁・厚生労働省の公開資料)に基づき、①健康被害情報の審査実績、②2026年9月から本格適用されたルール強化、③10月1日改正の手引き、という3つのトピックを整理します。
トピック1:厚生労働省の小委員会で機能性表示食品23製品の健康被害情報を審査
厚生労働省の「厚生科学審議会(食品衛生監視部会 機能性表示食品等の健康被害情報への対応に関する小委員会)」は2026年10月14日に第21回会合を開催しました。
議事要旨によると、今回審査されたいわゆる健康食品は計44製品で、内訳は次のとおりです。
- 機能性表示食品 23製品(2025年7月1日〜2026年7月31日までの報告分)
- 特定保健用食品 1製品(同報告分)
- ①②以外のいわゆる健康食品 14製品(同報告分)
- 指定成分等含有食品 6製品
審査の結果、現時点で流通防止等の食品衛生法上の短期的な措置や、食品衛生法第13条に基づく規格基準の策定等の検討が必要とされた製品はなかったことが報告されています。また、機能性表示食品等24製品のうち、2024年9月1日施行の健康被害情報の情報提供義務化の報告要件を満たす製品は2製品でした。
つまり、義務化された報告制度が実際に機能し始めており、集まった情報は定期的に専門家会議で審査される体制が運用されている、というのが現在の実態です。
トピック2:2026年9月から「ルール強化」が本格適用
紅麹サプリメントの健康被害事案(2024年)を受けた制度見直しでは、2024年9月1日に食品表示基準等が改正されました。ただし、事業者が製造・表示を対応するための2年間の経過措置が設けられており、2026年9月1日から改正後のルールが本格的に適用されています。
主な強化ポイントは次のとおりです。
- 健康被害情報の報告の義務化:届出者は健康被害と疑われる情報を収集し、消費者庁長官や都道府県知事等へ提供することが義務化されました(前述の小委員会審査はこの受け皿です)
- GMP(適正製造規範)の要件化:製造管理・品質管理の水準が要求事項として明確化
- 新規の機能性関与成分に係る通知期間の長期化:安全性の確認に要する期間が延長
- 表示方法の改正:届出表示の適正化
トピック3:手引き・質疑応答集が10月1日に改正
消費者庁は2026年10月1日付で「機能性表示食品の届出等に関する手引き」および「機能性表示食品に関する質疑応答集」を改正し、新旧対照表とあわせて公開しました(消食第711号)。
届出を検討している事業者は、改正版の手引きを必ず確認する必要があります。届出は消費者庁の届出システム経由で行われ、届出データベースの公開情報も頻繁に更新されています(2026年10月は1日・5日・8日・16日・19日と複数回更新)。
消費者側のチェックポイント
制度が整備されても、最終的に商品を選ぶのは消費者自身です。次の2点を習慣にするのがおすすめです。
- 届出番号で確認する:商品パッケージの届出番号(例:A148、F748のような形式)で、消費者庁の「機能性表示食品の届出情報検索」データベースから届出表示や機能性関与成分を確認できます
- 「届出された」の意味を正しく理解する:機能性表示食品は、国が効果を保証するものではなく、事業者の責任で科学的根拠を届け出た食品です。トクホ(特定保健用食品)とは審査の仕組みが異なります
まとめ
- 健康被害情報の報告義務化(2024年9月施行)の受け皿として、厚労省の小委員会が月次ペースで審査を継続。10月14日の第21回では機能性表示食品23製品を審査し、措置が必要な製品はゼロ
- 2年間の経過措置を経て、GMP要件化・表示改正などルール強化が2026年9月から本格適用
- 届出手引き・質疑応答集は2026年10月1日に改正。事業者は改正版の確認が必須
- 消費者は届出番号での情報確認を習慣に